カブクは「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2017」で、同社のオンデマンド製造サービスを紹介。3Dプリント以外のさまざまな加工法も含んでコスト見積もりを自動化し、かつオンラインで即算出できる仕組みを検討中であることを明かした。
カブクは「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2017」(2017年5月24〜26日、パシフィコ横浜)で同社のオンデマンド製造サービスや営業支援システムを紹介した。カブクはオンデマンド製造や工場向けクラウドサービスなどを提供する。製品の生産については国内外の約300カ所に及ぶ提携工場と連携して行う、いわゆるファブレス企業であり、単品試作から10万個程度の製品量産まで幅広く請け負っている。
カブクでは3Dプリンタで製造を行う工場向けに基幹業務クラウドサービス「Kabuku MMS(Manufacturing Management Service)」を提供する。同システムは、3Dモデルを登録すれば瞬時に、概算ではあるが製造コストの見積もりが自動で算出できる。採用する工場側は、見積書の作成やサポート材の計算、受発注管理、請求書の発行、会計処理といったビジネスプロセスを簡素化することが可能になる。Webページに自動概算見積もり機能を実装することも可能だ。
オンデマンド製造サービス「Kabuku Connect」は上記のKabuku MMSとも連携しており、部品試作や生産を望む企業や個人が、同社の提携工場へ製造をオンラインで申し込める。利用可能な提携工場は3Dプリント関係に限らず、射出成型や鋳造、加飾、切削加工などさまざまな分野がある。3Dデータや図面を基にカブクの提携工場複数から一気に相見積もりが取得できる。同社の製造アドバイザーから最適な仕様や工法を提案してもらうことも可能だ。工場との折衝は、顧客が一部直接行うこともあり、製造アドバイザーがどの程度折衝に関与するかはケースバイケースだという。Kabuku Connectで受け付けた案件のPL(製造物責任)についてはカブクが担保する。
金属の積層造形においてはヨーロッパの提携工場を使うことで、国内工場での製造と比較して生産コストが大幅に抑えられるという。「ヨーロッパの工場は金属の積層造形機の種類を豊富に備えており、技術もノウハウも集積している」(同社)
上記のシステムには人工知能(AI)を採用し、工場や加工法のマッチングや自動概算見積もり算出などに活用している。今後はAIによる自動化をさらに進め、同社の製造アドバイザーや顧客の負荷をより減らし、フローを効率化していきたいとしている。
同社は会場で、将来はKabuku Connectにおいて3Dプリント以外のさまざまな加工法のコストの見積もり算出を自動化し、かつオンラインで即算出できる仕組みを検討していることを明かした。時期については未定である。
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