ソニーモバイルコミュニケーションズは、床や壁に投影した表示をタブレット端末のようにタッチ入力で操作できるようにするプロジェクター「Xperia Touch」を発売する。床や壁に投影された表示は、タブレット端末と同じように操作可能。最大10点のマルチタッチに対応しており、複数人で同時に操作することもできる。
ソニーモバイルコミュニケーションズは2017年4月20日、東京都内で会見を開き、床や壁に投影した表示をタブレット端末のようにタッチ入力や音声認識で操作できるようにするプロジェクター「Xperia Touch」を発売すると発表した。
音声入力によるインターネット検索や、ゲーム、動画の視聴、ビデオ通話などに使用でき、「液晶ディスプレイから投影した場所に画面が変わっただけで、タブレット端末と同じことができる」(ソニー説明員)。OSはAndroidだが、音声認識技術はソニーが開発した「ソニーエージェントテクノロジー」を採用している。Googleアプリの音声検索にも対応する。
床や壁に投影された表示は、タブレット端末と同じように操作可能。最大10点のマルチタッチに対応しており、複数人で同時に操作することもできる。
発売日は2017年6月24日で、税別の市場推定価格は15万円前後。
最近のコミュニケーションの傾向について、ソニーモバイルコミュニケーションズ スマートプロダクト部門 副部門長の伊藤博史氏は「外にいてもスマートフォンを見て下を向いていたり、一緒にいるのに別々にインターネットを見ていたりすることが多い。バランスを崩しつつあるのが現状だと考えている。(Xperia Touchを始めとする)スマートプロダクトによって、こうした課題を解決したコミュニケーション体験を実現していく」と説明した。
Xperia Touchは、大きな画面サイズの表示や音声入力、複数人で同時に操作できる点を生かし、家族や友人が一緒にコンテンツやアプリを楽しめるようにする。
表示を投影しただけの壁や床でタッチ入力が可能になるのは、赤外線センサーによるものだ。本体下部に赤外線センサーの発光部があり、投影された画面サイズ23インチをカバーできる範囲に赤外線を照射している。タッチ入力を行う指に反射した赤外線は、プロジェクターのイメージセンサーで検知する。処理速度は毎秒60フレーム。
1つのイメージセンサーが、投影する表示と指の位置の検知結果の両方を処理することにより、タブレット端末などとそん色ない精度の操作感を実現した。また、イメージセンサーが二役を兼ねることにより、指の位置を検知するための受光部を省略することができ、本体の小型化も図れた。イメージセンサーは、Xperia Touch向けに専用設計したものではなく、監視カメラ用などで量産実績のある製品だ。
タッチ入力が可能なのは、赤外線センサーのある本体の底面が壁か床に接触している時のみ。本体の置き方によって投影する画面サイズを80インチまで拡大できるが、表示を拡大するとタッチ入力は無効になる。壁から約25cm離して投影すると80インチの大画面となる。
壁や床に投影した表示の明るさは100lm(ルーメン)。開発段階ではプロジェクターとしては明るさが足りないという声も上がったが、家庭用に適したサイズにバッテリーや冷却機構を収めるため、先述の性能とした。外形寸法は69×134×143mm。バッテリー容量は1200mAhで、ACアダプターなしの動作時間は1時間。
プロジェクターは独自の超短焦点レンズと、液晶ディスプレイデバイスSXRD(Silicon X-tal Reflective Display)、レーザーエンジンを組み合わせている。超短焦点レンズの採用により、操作する人の手が投影された表示と重なっても影ができにくいという。
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