HPE ArubaはIoTの活用度についてのグローバル調査を行い、調査結果を発表した。20カ国の中で日本はIoT理解度で最下位、行動レベルで19位となり、海外に比べて消極的な姿勢が目立つ結果となった。
日本は本当にIoT先進国なのか――。Aruba, a _Hewlett Packard Enterprise company(以下、HPE Aruba)は2017年4月18日、企業におけるIoTの活用度についての調査「The Internet of Things : Today and Tomorrow(IoTの現在と未来)」を実施。日系企業のIoTに関する姿勢が消極的であることを浮き彫りにする調査結果を発表した。
同調査は2016年11〜12月に、世界20カ国、合計3100人のITおよびビジネス担当者へのインタビューによって行ったもの。回答者は公共部門と民間部門双方で、従業員500人以上の組織に所属する人物で、特に産業、政府、小売、医療、教育、建設、金融、IT、通信などの業種となっている。対象国は英国、イタリア、ドイツ、フランス、オランダ、スペイン、スウェーデン、ノルウェー、トルコ、UAE、サウジアラビア、米国、シンガポール、日本、オーストラリア、インド、ブラジル、メキシコ、中国、韓国となっている。
この中で驚きの結果となったのが、日本のIoTについての立場である。IoTの理解度を示す「IoTがもたらすビジネス価値について、あなたが所属している組織の経営層はIoTの創出するビジネス価値をどの程度理解していると思いますか」という問いに対し、日本は33%で20カ国中最下位となっている。さらに、IoTの道入についての「あなたが所属している組織ではIoTテクノロジーを積極的に採用していますか」という設問に対しては、日本は70%で19位となり、いずれも最下層クラスとなった。IoTの理解度については以下の通りである。
日本ヒューレット・パッカード 執行役員でエンタープライズグループ事業統括 HPE Aruba事業統括本部長の田中泰光氏は「個人的にもショックな調査結果である。調査の回答に対し国民性的な影響などもあったと考えるが、全体的には他国に比べて消極的で期待値が低いという結果が出ている」と結果の概要について述べている。
個々の結果を見た場合、「グローバル」「アジアパシフィック」と比較して「日本」は、あらゆる項目で「IoTの定義」を狭く捉えており、特に日本企業が強みを持つと見られていた「産業用コンポーネントをつなげるプラットフォーム」がグローバルやアジアパシフィックの水準と大きく乖離があった(図1)。
さらに、IoTデバイスだと認識している機器についても、「特殊機械」や「車両」を除いて、グローバルやアジアパシフィックの平均と大きく差がある状況となっている(図2)。
これらの状況から、日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPE Aruba事業統括本部 マーケティング部マネージャーの宮川塁氏は「海外の企業と比べて日本はIoTとして認識する範囲が狭い傾向にある。これがIoTの認識レベルや導入レベルに影響している」と分析する。
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