世界最大級の工業化学研究用スーパーコンピュータを共同開発製造マネジメントニュース

ドイツのBASFと米HPEは、BASF本社における工業化学研究用スーパーコンピュータを共同開発する。HPEのスーパーコンピュータ「Apollo System」をベースとしており、シミュレーションやモデリングの時間を数カ月から数日間へと大幅に短縮する。

» 2017年04月12日 09時00分 公開
[MONOist]

 ドイツのBASFと米Hewlett Packard Enterprise(HPE)は2017年3月17日、BASFのルートヴィッヒスハーフェン本社における世界最大級の工業化学研究用スーパーコンピュータを共同開発すると発表した。

 新しいスーパーコンピュータは、HPEのスーパーコンピュータ「Apollo 6000システム」をベースとする。IntelのXeonプロセッサやOmni-Path Fabric、HPEのマネジメントソフトウェアを搭載し、実効計算能力1ペタフロップス(毎秒1000兆回の浮動小数点演算が可能)を超える単一システムとして機能する。

 このシステムアーキテクチャにより、複雑なタスクについて多数のノードを同時に動かすことができ、結果を得るまでに数カ月必要だった計算が数日間で終了するという。

 BASFでは、このスーパーコンピュータによって仮想実験の能力を拡張する予定だ。これにより、触媒表面処理のシミュレーション精度を高めたり、事前に定めた特性を持つ新しいポリマーの設計を加速したりできるようになり、市場投入までの時間やコストの削減につながる。

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