サービスのグローバルマザー工場へ、生産撤退後に生きた日本の現場力メイドインジャパンの現場力(6)(2/4 ページ)

» 2016年12月05日 13時00分 公開
[長町基MONOist]

国内のサポートサービスの最適化で修理量1.6倍

 国内のサポートサービス最適化に向けた統合も進めており、その一環としてこれまで社外委託していたLenovo製品の修理もNEC修理管理手法を踏襲した修理履歴管理ITを開発導入した。同じく保守部品も群馬事業所のオペレーションで調達から供給までマネジメントする形とした。

photo 国内サポートサービス組織の統合(クリックで拡大)出典:NECパーソナルコンピュータ

 同事業所におけるLenovoのPC製品の修理は、2016年7月からコンシューマー製品で開始。同年8月からはコマーシャル製品(業務用製品)も対応しており、これにより月間の装置修理量は従来比1.6倍に拡大した。保守部品のinとoutの扱い量も同1.6倍に増えている。「NECとLenovoの製品を合わせると国内のシェアは約30%あるので、全国のPC修理の3割はここを中心に回っているといっても過言ではない」(土屋氏)と自信をみせている。

 群馬事業所ではこれら装置の修理センターおよびNECPCのMB修理、コールセンター、保守部品庫、保守部品調達、さらにLenovoのMBの修理にも2017年には取り組む予定だ。また、キッティングサービス、カスタマイズサービスなどのフレキシブルオペレーションにも対応するなど、サポート・サービスに必要な機能を幅広く保有するマザーファクトリーを目指している。

photo 群馬事業所のLenovoグループ内の位置付け(クリックで拡大)出典:NECパーソナルコンピュータ

LenovoのPC製品も群馬事業所で修理

photo レノボ・ジャパンの執行役員専務 横田聡一氏

 今回、LenovoのPC製品も群馬事業所で修理を開始したことについてレノボ・ジャパンの執行役員専務 横田聡一氏は「迅速でかつ正確なクオリティーの高いサービスを顧客に提供できるという直接的なメリットと、さまざまな障害情報などを開発チームと共有することで、より品質の高い設計に生かすことができるという間接的なメリットがある」と評価した。

同社の製品であれば、例えばThinkPadで対応が難しい修理の場合、最終的には開発拠点である大和研究所まで送られてきている。それが、今回、群馬事業所で修理対応することで正確な情報をタイムリーに入手できる他、装置の故障の兆候をつかむことで、いち早い初動操作対応にも寄与するものとの期待しているという。

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