上野氏は、新しいソリューションである「ナレッジマネジメント」について、「われわれは、ナレッジはある意味、整理された条件の形式知だと思っている。しかし、それ以外に、暗黙知を作っているケースが多い。形式知は比較的探しやすいが、暗黙知は探すのが難しい。この中から、必要とする資料を何とか、統計という技術を使ってサルベージすることができないかと考えた」と語る。そこで同社が開発したのが、「KnowledgeExplorer(ナレッジエクスプローラ)」である。
KnowledgeExplorerの実現に向けて、同社は特徴語句の抽出エンジンを開発。「社内の膨大なドキュメントの中で統計を取り、特徴的な語句を判定する」(上野氏)ものだ。もう1つ、語句間のネットワーク情報生成エンジンの開発がある。これには「ベテラン設計者の頭脳を使って知見に早くたどり着けないかということを考えた」(上野氏)という。
クエリ(データの問い合わせや要求)には同社ならではの工夫がある。KnowledgeExplorerは、莫大な社内ドキュメントから、特徴語句とその相関関係を統計処理する。「しかし、きっかけとなる語句を知らなければ、他人の頭脳を借りることさえできない(何が分からないのか、分からない)という問題がある」(上野氏)。この問題に対応すべく、KnowledgeExplorerは、今作成している資料を解析し、あたるべき語句を提示。玉石混淆のドキュメント群から、素早くナレッジを獲得できるという特徴を有している。
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