IVIでは、プラットフォーム策定の取り組みとして「緩やかな標準」づくりでも活用していた「業務シナリオ」を利用する。IVIの今までの活動は、企業の抱える問題を実用的なレベルで抽象化した「シナリオ」を作り、場面と関わる人員(アクター)を設定。その中で問題を解決できる取り組みや手法を抽象化した「活動モデル」を作り出していくという作業だった。会員内ではこれらの「シナリオ」はドキュメント化して共有されている。
プラットフォームを策定するワーキンググループ(WG)では、これらの業務シナリオを組み合わせて、仕様やスぺックなどを備えたリファレンスモデル(RM、参照モデル)を策定する。そして、この仕様に合うようなプラットフォーム提供者とのマッチングを進めていくという流れである。
技術仕様としては、IVIプラットフォームが共通して持つ技術的な構成要素を抽象モデルとして表現したものを「PCA(共通アーキテクチャ)」、カテゴリごとにIVIプラットフォームとしてあるべき構成要素とあり得る構成要素を示したものを「PRM(参照モデル)」、実在するプラットフォームについてリファレンスモデルに対応する要素を記述したものを「PPS(プロファイル記述)」と定義した。プラットフォームWGが策定する仕様としては、以下の8つの項目を明確にして要件仕様書としてドキュメント化する必要がある。
さらに「つながる工場」の実現においてプラットフォームを構成する要素を全て提供できるプラットフォーマーはほとんどいない。そのため、プラットフォーム間の位置付けなどを明確化していく必要がある。IVIでは、業務レベルやモノづくりのステージ、成長段階モデルや連携粒度モデルなどで、位置付けを明確にできるようにしており、それぞれのプラットフォームが協力しやすい体制作りを進める。
西岡氏は「プラットフォームWGではばらばらの技術を整理整頓し組み合わせて1つのプラットフォームとして機能するような仕組みを考える。プラットフォーマーはそれに合ったサービスを提供する、というような関係構築を進めていく」と述べている。
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