現状の3D CADには、データをクラウド上に保存できるもの(ソフトの動作はローカルPC上)や、ソフト自体をクラウド上で動かすものなどがあります。
例えば、「Autodesk Fusion360」や「Onshape」などがあります。こちらの使い方については、以前に水野操氏の『クラウド3D CAD「Onshape」と「Fusion360」で2次元図面作成機能を試す』、小林由美氏の『Googleドキュメントみたい! 無償クラウド3D CAD「Onshape」を使ってみた』で紹介されています。クラウド型の3D CADであれば、PCを自分が持参しなくとも、相手先にあるPCで自分のアカウントでログインすることで自分のデータを開いて打ち合せできます。
また自宅で仕事することも可能になります。マンガ喫茶などでも可能です。重たいPCを持ち歩く必要がないし、データを持ち歩く必要もない、両方の悩みを解決してくれる、クラウド3D CADが今後の主流になってくるのではないかと筆者は考えています。セキュリティの不安や社内ルール作りなど、課題はたくさんあるかもしれませんが、より設計者が快適にいつでもどこでも設計ができるツールが増えてきているのは間違いないですね。
将来、リモート操作やクラウドなどの技術がもっと発展していけば、設計者が喫茶店で仕事をしたり、自宅で子育てをしながら仕事をしたり……、そんな時代がくるかもしれないと筆者は思っています。
いまはコワーキングスペースやFabLab(ファブラボ)のような施設も増えてきていますし、いつでも、どこでも、自由な場所、自由な時間に設計の仕事ができることで、自由な発想が生まれ、新しいモノが生み出され、ますます世の中が楽しくなっていけばよいですよね。
「喫茶店に行ったら、設計者でいっぱい!! ――そんな時代がくるかもしれない?」「おいしいコーヒーの作り方を覚えて、喫茶店をはじめようかな〜」など、そんなことを考えながら、今回は終了したいと思います。
さて以降の回では、実際にハード(PC)とソフト(3D CAD)の検証をしていきます。ハードが変わればCADの扱いやすさは変わるのか、仕事のしやすさに違いはあるか、環境や画面の大きさが変わると作業性に違いはあるかなど、例えば、タブレットPCでさまざまな3D CADを動かしてみたり、さまざまなノートPCでいろいろな3D CADを動かして検証をしてみたりしていきたいと思います。次回をお楽しみに!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!! 書き終わったところで、コーヒーを飲んで一休みします。
小原照記(おばら・てるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターの副センター長兼主任講師。3DCADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事をデジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。
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