X線治療装置事業の譲渡契約を締結、放射線治療システム事業を強化:医療機器ニュース
日立製作所は、三菱重工業と事業譲渡契約を締結し、三菱重工のX線治療装置事業を日立製作所に譲渡することで合意したと発表した。これにより日立は、従来の粒子線治療システム事業と合わせ、放射線治療システム事業を強化・拡大していく。
日立製作所(日立)は2016年8月4日、三菱重工業とX線治療装置事業について事業譲渡契約を締結し、三菱重工のX線治療装置事業を日立に譲渡することで合意したと発表した。
放射線治療は、患部を切除しない、身体への負担が比較的少ないがん治療法として、近年急速に進展している。日立は、放射線治療の1つである粒子線治療システムにおいて、既に日本や北米の病院に多数の納入実績があり、その技術とサポート体制が高く評価されているという。また、今後日本やアジアでの市場拡大が見込まれているX線治療システム分野でも、高精度放射線治療で世界トップクラスの米Accuray Incorporatedのトモセラピーシステムを2012年7月から日本国内で独占販売するなど、幅広く放射線治療ソリューションを提供している。
一方、三菱重工は、事業の選択と集中化を進めており、医療機器を手掛けている機械・設備システムドメインで、中小規模の再編による収益力強化とリソース投入分野の絞り込みに注力している。
今回、事業譲渡先として、ヘルスケア事業に注力し開発からサポートまで一貫した体制が充実している日立が最適であると、両社の認識が一致し、合意に至ったという。この合意により、日立は、三菱重工が持つX線治療装置の技術を活用することで、X線治療システムの顧客基盤を拡大し、これまで展開してきた粒子線治療システム事業と合わせて、放射線治療システム事業を強化・拡大していくとしている。
また、三菱重工が開発した高精度放射線治療装置「Vero4DRT」については、日立は2017年4月以降に保守サービスサポートを開始する予定だという。
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