グーチョキパーツ社長に「第4次産業革命をうちもやらんといかん」といわれて以来、矢面氏は引き続き、印出氏の研究所に入り浸っているようです。おや、今日は誰か訪ねてきたようですよ。
おや、印出さん、誰か訪ねてきたようですよ。
あら、誰かしら?
ハーイ!鳥代!!久しぶりデース!
だ、だ、だ、誰なんですか、この方? アメリカの方?
彼の名前は米国好男(よねぐに よしお)で、日本人よ。アメリカ好きが高じてこんな感じに。でも、米国の第4次産業革命の事情には詳しいわよ。
矢面氏はすっかり取り乱しています。さて、米国氏も来たことですし、話題は米国の状況へとなっているようですよ。
あー、びっくりした。ところで今私は第4次産業革命について印出さんに教えてもらっているんですが、米国でもこうした動きは活発なんですか。
あったりまえデース。産業用分野のIT活用ではGEが進んでいマース。そのGEとICTベンダーなどが設立した「インダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)」が積極的な活動を行っていマース。
インダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)は、米国のAT&T、シスコ、GE、インテル、IBMの5社が設立したIoTの産業実装を目的とした企業団体です。設立は2014年3月で、実はドイツ連邦政府が主導するICTを活用したモノづくり革新プロジェクトである「インダストリー4.0」が大きな影響を与えたといいます。最近ではよくインダストリー4.0との違いが語られるようになっていますが、IICとインダストリー4.0の違いというと、オープン性と対象範囲の違いがあるといえます。
IICは、基本的にオープンな団体活動デース。どの国の企業でも参加できマース。
インダストリー4.0プラットフォームへの参加は、原則的にはドイツ法人であることが前提となっています。一方、IICは基本的にはオープンな団体活動であるため、多くの企業が参加しています。インダストリー4.0プラットフォームと兼ねて入っている企業もありますし、日本企業も数多く参加しています。
対象範囲については、IICはインダストリー4.0よりも、さらに広い範囲を対象としているといえます。インダストリー4.0がスマートファクトリーや主に製造業の活動を対象としているのに対し、IICは産業向けインターネットや産業向けIoT(Internet of Things)をさまざまな産業に実装していくことを目標としています。そのため、製造業以外にもさまざまな産業領域も対象としていることが特徴となります※)。
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