機械学習は産業用ロボットがトライ&エラーを繰り返すことでパターンを導き出して学習するという仕組みである。このトライとエラーを同時に複数回行うことができれば、この学習時間を短縮することができる。先述したばら積み部品のピックアップにおいて、3台のロボットを同時に学習させることで、8時間必要だった学習時間が3分の1の時間で同程度のピッキング精度まで高めることに成功したという。
同技術は既にある程度確立されており、PFN 代表取締役社長でCEOの西川徹氏は「一般に思われているよりは早く商業化できると考えている。2016年の夏から秋にかけてはある程度の技術は固めることができる」と述べている。
同学習技術のデータについては、シスコのサーバ「UCS C220 M3S」、演算についてはNVIDIAのGPGPUを通じて行っているという。西川氏は「分散型の機械学習は、通信の制限やリアルタイム性が要求される製造現場のデータ活用には非常に相性のいい技術である」と述べている。
ただ現状のシステムにも課題は残されており「現状では、ロボットコントローラーを通じて、3次元画像データを送っているが、ここがボトルネックになるケースがある。これらをデータの送り方やシステムの組み方などを工夫することで解決していく必要がある」(担当者)としている。
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