NTNは、新開発のインホイールモーターシステムを搭載する改造電気自動車(コンバートEV)を三重県と同県桑名市に貸与する。三重県志摩市で開催される「伊勢志摩サミット」応援の一環だという。
NTNは2016年4月11日、新開発のインホイールモーターシステムを搭載する改造電気自動車(コンバートEV)を三重県と同県桑名市に貸与すると発表した。同年5月26〜27日に三重県志摩市で開催される「伊勢志摩サミット」応援の一環となる。
同社はこれまで独自開発したインホイールモーターシステムを搭載するコンバートEVを自治体などに貸与して実証実験を行ってきた。その中で課題となっていたのが、インホイールモーターシステム搭載時にベース車両のサスペンションの仕様変更が必要なことだった。
新開発のインホイールモーターシステムは、平行軸歯車式減速機と外輪回転ハブを組み合わせることで、従来品からのさらなる小型/軽量化を実現した。また、車輪軸に対してモーター軸をオフセットする構造によって、インホイールモーター部分の厚みを削り、ホイール幅に収めることに成功した。これにより、課題となっていたサスペンションの仕様変更は不要になった。転舵構造なども変更する必要がないので、コンバートEVの開発時におけるコスト削減や期間短縮が期待できるとしている。
新システムを搭載するコンバートEVの外形寸法は全長3775×全幅1680×全高1590mmで、インホイールモーターは前輪2輪に組み込まれている。最大出力は1輪当たり30kWで合計60kW。最高速度は時速126km。リチウムイオン電池パックの容量は16.5kWhである。
このコンバートEVは、三重県に3台、桑名市に2台貸与され、伊勢志摩サミットのPRを兼ねて、三重県と桑名市の公用車として利用される。車両の外装には、ジオラマアーティストの田村映二氏によるデザインが施されている。デザインのコンセプトは「エコで次世代につなぐ地球−NTN製品と合体させた未来の街」で、三重県をイメージしているという。
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