「緩やかな標準」から「プラットフォーム」へ、IVIの新たな挑戦:IVI公開シンポジウム2016(1)(3/4 ページ)
「緩やかな標準」作りにより、個々の技術などのすり合わせは進みつつあるが、「つながる工場」を実現するには、これらの「緩やかな標準」を積み上げるだけでは、メリットを作り出すことが難しい。これらの「緩やかな標準」を組み合わせて、製造業のビジネスシチュエーションに合わせた一種のテンプレート(ひな型)となるような「パターン作り」が必要になる。
そこでIVIでは「2016年度の取り組みとして、緩やかな標準を組み合わせてテンプレートとできるようにする『プラットフォーム化』を進めていく」と西岡氏は述べる。
IVIが目指すプラットフォームの果たす役割 出典:IVI
プラットフォームでは、先述した20のWGでのリファレンスモデル(シナリオ)をベースに組み合わせることで、製造業によくあるようなシチュエーションでのテンプレートを作っていく。その際に条件として以下の5つの点を挙げる。
- 複数企業(ステークホルダー)がそれぞれ利害関係が対立する形で参画すること
- プラットフォームがあればWin-Winとなるが、通常では(自然発生的には)そのようなことが起こらないようなケース
- ロジックよりはデータそのものの存在、データの集約と連携が付加価値を生む世界
- 個別の競争力の源泉はしっかり隠す「オープン&クローズ戦略」が組み込まれていること
- データの発生源は現場であり、IoTとして人や人モノから得られたデータを活用していること
これらの条件を守った上で、まずは10個のプラットフォーム候補を選定し、実現に向けた取り組みを進めていく。
IVIプラットフォームの10個の候補。「設備保全ビッグデータ」「企業間MES連携」「設計製造連携」「個別受注同期生産」「人と現場の見える化」「遠隔地カスタマーサービス」「つながる町工場」「オープン型ラインビルダー」「グローバルニッチ支援」「物流と生産の広域連携」のそれぞれでプラットフォーム化を図る(クリックで拡大)出典:IVI
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