ザイリンクスで産業向け領域を担当するIndustrial,Scientific & Medical(ISM)担当ディレクターのクリストフ・フリッチュ(Christoph Fritsch)氏は「産業用IoT(IIoT)領域では、用途ごとに特化したデバイスが必要になる。しかし、その個々の環境に合わせたデバイスを開発するのは大変だ。また環境がすぐに変わるために固定化したデバイスであると柔軟に変化に対応できない。これらに対応するためには、ソフトウェアオリエンテッドなデバイスが求められる。ザイリンクスはFPGAでの優位性に加え、SDSoC(Software Difined System on Chip)などソフトウェアの開発環境も提供できることが強みだ」と述べている。
フリッチュ氏はザイリンクスの強みとして、エッジコンピューティングに求められる柔軟性や接続性、効率性やコスト競争力などを挙げる。
「例えば、産業用フィールドネットワーク(フィールドバス)などで考えた場合、コントローラー(PLC)そのものの役割は同じでも、採用しているネットワーク規格によってシステムの構成は変えなければならない。しかし、FPGAであれば、システムの構成に合わせて、プログラムを書き換えれば良いため、ハードウェアの開発をやり直す必要はなくなる。現状では当社のデバイスでは、PROFINETとEthernet/IP、EtherCAT、Modbusに対応している。CC-Link IEにも6カ月以内に対応する予定だ」とフリッチュ氏は語っている。
また、産業用IoTでは、各種デバイスにはそれほどコストをかけられない場合も多いが、これらのローコストニーズに対応する「Spartan-7 FPGA」ファミリーをリリース。「コストを重視するアプリケーション向けのI/O数の多いデバイスであり、エッジコンピューティングなどのニーズに応えていく」とフリッチュ氏は語る。
その他、安全性(セーフティ)やサイバーセキュリティなどについても第三者機関認証を取得しており「産業用IoTに必要な信頼性は確保している」(フリッチュ氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.