SCORはサプライチェーンのプロセスを3段階の階層構造で定義している。これらの階層は、実施にSCORを使って戦略や運用を考える際、それぞれの論点にふさわしいレベルを用いて検討できるように設定されている。例えば、サプライチェーンの戦略や目標について考える際は「レベル1」を使う。サプライチェーンのネットワーク設計やプレーヤーのアロケーションなどは「レベル2」を使う。それを運用に落とし込むための業務設計は「レベル3」を使う、といった具合である。
また、SCORの階層レベルは、組織における職務階層ともほぼ一致している。通常、レベル1は経営層クラス、レベル2は部長クラス、レベル3は現場マネジャークラスに対応しているといえる。
SCORにおけるプロセスの定義(プロセステーブル)は、「プロセスの名称」「プロセスの内容説明」「プロセスで使う評価指標(Metrics)」「プロセスを実行する際のプラクティス」「プロセスを実施する上で必要な人材(スキル、経験、教育)」がセットで定義されている(図1)。
検討対象のプロセス要素を特定すれば、SCORのプロセス定義を参照しながらプロセスを検討することが可能である。これがプロセス参照モデル(Process Reference Model)といわれる理由である。
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