サイバーフィジカルシステムとは、IoTなどを活用し現実の世界(フィジカル)の情報をデジタル空間(サイバー)に取り込み、解析技術や人口知能技術などを活用して最適な処理を行い、そのフィードバックを現実世界に戻すというような仕組みだ。ICTなどによる処理内容を、現実世界の活動や行動に直結して、新たな付加価値を生み出せる。
そのカギになる注目分野としてJEITAが挙げるのが、ウェアラブル端末とワイヤレスモジュール、センサーである。
ウェアラブル端末は台数が2014年に1830万台だったのが、2025年には2億5000万台まで成長し、金額も2014年が4500億円だったのが、2025年に6兆2000億円となると予測する。
ワイヤレスモジュールは、2014年が78億個だったのが2025年には225億個まで成長すると予測。市場規模は2014年の7兆1000億円から2025年は11兆8000億円へ伸長すると見込む。
センサーは、2014年が532億個だったのが2025年には1522億個へと伸びる予測だ。金額面では2014年が2兆8000億円市場だったのが、2025年には9兆円へと成長すると予測している。
水嶋氏は「電子情報技術産業はCPS/IoTの社会実装において大きな役割を果たす。ただグローバル競争は激しく変化も激しい中、新しいチャレンジを続けていかなければ現在の立場を維持・強化していくことは難しい。その中でJEITAとしてはCPS/IoTを核とし、CEATEC JAPANや政府との連携などで、提案を進めていく。また従来の枠を超えた取り組みとしてベンチャー企業との連携なども進めていく」と述べている。
CPS/IoT領域は新たな成長分野として、現状の競合企業の他、他分野の企業なども注力を始めている領域である。特にインダストリー4.0などを推進し、大手製造業・生産財メーカー・ICTベンダーなどが連携を強化しているドイツや、大手企業の多くが参加するインダストリアルインターネットコンソーシアムでの活動が活発化している米国など、競合国や競合企業の動きはさらに速いスピードで動いている。10年間停滞した日系企業が巻き返すには、さらに速い動きが必要になる。
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