ET2015の東芝ブースでは、無線LAN機能を搭載したメモリカード「FlashAir」をIoTデバイスとして活用する際に必要となる開発ボードの紹介と、各種のデモが行われている。
東芝「FlashAir」は無線LAN機能を搭載することで、デジタルカメラ内のデータをスマートフォンなどから閲覧/コピーなどできるメモリカードとして登場したが、APIが公開されており、Webサーバなどのように使うこともできるとこから「差し込むだけのIoT化」を実現する製品としても訴求されている。
2015年3月に販売開始された第三世代製品(W-03)ではLuaスクリプトによる制御が可能となり、カードに書き込まれたファイルを自動でアップロードするといった、もはやメモリカードという枠にとらわれない利用もできる。ET2015の東芝ブースでは、このFlashAirをIoTデバイスとして活用する際に必要となる開発ボードの紹介と、各種のデモが行われている。
ブースでは既に販売開始されているマルツエレックの開発ボード「Airio RP」を始め、2015年11月末の販売会が予定されている秋月電子通商の開発ボード、東芝が開発に協力したSeeed Studio TechnologyのArduinoフォームファクタボードといった開発中の製品も展示されている。
興味深いのはSeeed Studioの製品で、Arduinoフォームファクタを採用しているため、Seeedのスターターキット「Grove - Starter Kit for Arduino」も利用可能であり、はんだづけなしでセンサーやスイッチを利用した試作を行える。また、バッテリーチャージャーを搭載しており、リチウムイオン電池と組み合わせることで機器の小型化も狙うことができる。
FlashAirを用いたデモとしては、人物認識機を持ったデジタルサイネージをFlashAirで構築していた。カメラで人物を撮影してFlashAirに保存すると、撮影した画像がFlashAirの制御によってクラウドに送られ、クラウドからは人物の年齢性別を推測した結果が返信されてくる。サイネージにはその年齢と性別に適すると思われる商品が映し出されるという仕組みだ。
この他にもブースでは、24bitA/Dコンバータを3基搭載したマイコン「TMPM061FWFG」を用いての「スマートACコンセント」や同社が強みにしているモーターソリューション分野において、MCD(モーターコントロールドライバ)を利用したロボットハンドのデモも行われている。
TMPM061FWFGは電力演算エンジンをハードウェア実装しており、24bitA/Dコンバータとあわせてスマートコンセントやエアコンなどの制御に適する。デモでは2口コンセントにマイコンボードを搭載し、コンセントを利用した際の電力量をチェックし、Bluetoothでタブレットに情報として表示させていた。
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