「3Dプリンタは流行ではなく革命」――米教授が示す10の原則と3つの未来『2040年の新世界』ホッド・リプソン氏来日(1/3 ページ)

ストラタシス・ジャパン主催の「未来型デジタルファクトリー DDMフォーラム 2015」の基調講演に3Dプリンタ研究の第一人者として知られる米コロンビア大学 機械工学教授 ホッド・リプソン氏が登壇。3Dプリンタのこれからについて説明した。

» 2015年09月07日 10時00分 公開
[與座ひかるMONOist]

 2015年8月27〜28日に開催された「未来型デジタルファクトリー DDMフォーラム 2015」(主催:ストラタシス・ジャパン)の基調講演に、『2040年の新世界:3Dプリンタの衝撃』の著者として知られるコロンビア大学 機械工学教授 ホッド・リプソン(Hod Lipson)氏が登壇した。

 同氏は「3Dプリンティングの未来〜これからの25年〜」をテーマに、3Dプリンタの現状や未来について解説。講演中は一貫して「3Dプリンタは単なる流行ではなく、コンピュータの登場に匹敵する革命である」と述べ、その理由について3Dプリンタが持つ「10の原則」を紹介した。また、3Dプリンタがこれから発展していく段階を3つのエピソードに分けて語った。


広がり続ける市場、ミクロ/マクロ用3Dプリンタも登場

 3Dプリンタの隆盛は2005年ごろ、オープンソース3Dプリンタである「RepRap」などの広がりによって始まった。従来は10万米ドル単位でしか手に入れることができなかった3Dプリンタだが、2009年にはMakerBot社(2013年にStratasysが買収)が個人向け3Dプリンタの販売を開始。低価格で簡単に試作品やモノづくりができるとして注目を浴びることとなった。「今や、3Dプリンタの世界売り上げは1枚のグラフ図ではまとめ切れないほど飛躍している」と同氏は説明する。

オープンソースの3DプリンタとMakerBot社の初代モデル「Thing-O-Matic」大型で高価格な3Dプリンタから次第に低価格・小型化が進んだ オープンソースの3DプリンタとMakerBot社の初代モデル「Thing-O-Matic」(左)。大型で高価格な3Dプリンタから次第に低価格・小型化が進んだ(右)
増加し続ける3Dプリンタの売り上げを表すスライド 増加し続ける3Dプリンタの売り上げを表すスライド

 また、近年では素材の多様化が進み、ミクロ・マクロ単位で出力できる3Dプリンタも登場。バイオメトリクス分野への研究も進むなど、業種を問わず活用できる素地が整いつつあると説明した。

ウィーン工科大学開発のナノ単位で出力できる3Dプリンタの出力物バイオメトリクスの分野でも研究が進んでいる ウィーン工科大学開発のナノ単位で出力できる3Dプリンタの出力物(左)、バイオメトリクスの分野でも研究が進んでいる(右)
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