AUTOSARにおいてバージョン※12)は、正確にはRelease NumberおよびRevisionで示される。例えば、Release 4.2 Revision 1は、一般にR4.2 Rev.1、R4.2.1あるいはR421のようにも表記される。いずれも同じものを指す。
なお、バージョンに対する指定を受けた場合であっても、ほとんどの場合には、Major Release Number、すなわち、R3.x系/R4.x系の違いのみを気にすれば十分である。例えば、R4.0 Rev.3の指定を受けたときに、MCAL(Microcontroller Abstraction Layer:ハードウェア依存の各種ドライバソフトウェア)だけが、R4.0 Rev. 2あるいはR4.1 Rev.3しかないというような場合でも、ほとんどの場合には問題ない。
通常、対応するAUTOSAR XMLのバージョンの違いはツールでほとんどの場合に吸収可能であるし、インタフェース面で大きな変更があるような場合もほとんどない。バージョンをそろえることにこだわるよりも、むしろ異なるバージョンの組み合わせでいかに対処するかを考える方が、実際のAUTOSAR運用においてははるかに重要である。また、R4.0 Rev.3をベースとして、上位バージョンの機能を一部盛り込むというような運用もしばしば見受けられる。
※12)なお、本文中では、分かりやすさを優先してあえて「バージョン」という表現を使っているが、普段はそのような表現を使用せず、Release NumberやRevisionという表現を使用している。
1回あたり4000字程度を目安にというお話をいただいたのだが、あっという間にそれを大幅に上回ってしまった。そのため、当初の連載第1回向けに用意した原稿のうち、「おさらい」部分を前編と後編の2つに分け、後編を第2回に持ち越すこととした。
なお当初は、「AUTOSAR導入の概要〜はじめてのAUTOSAR/Introduction to AUTOSAR(2015年版)」というセクションを短く入れるつもりであったが、こちらは連載の第3回までお待ちいただきたい。
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