東芝と技術研究組合国際廃炉研究開発機構が共同で、福島第一原子力発電所の原子炉格納容器調査用のロボットを開発、2015年8月に投入する。
東芝は2015年6月30日、技術研究組合国際廃炉研究開発機構(IRID)と共同で、福島第一原子力発電所向けの原子炉格納容器内部調査ロボットを開発したと発表した。同年7月中に操作訓練を行い、同年8月中に現場へ投入される予定だ。
開発されたロボットは長さ約54センチ、幅約9センチ、高さ約9センチの長方形。有線操作によって約10センチのパイプを通り格納容器内へ侵入し、内部の状況調査を行う。移動は走行用ベルト(キャタピラ)で行われ、走行中に倒れても自力で復帰できる機構も備えている。
機体には2台のCCDカメラと放射線量計、温度計、LEDライトを搭載しており、格納容器中心部ではロボット後方をサソリの尾のように反り上がらせ、ライトで周辺を照らし、撮影を行う。
福島第一原子力発電所の2号機では、現在、燃料デブリの取り出し手順や工法を検討するため、燃料デブリの分布状況の確認が求められており、開発されたロボットは格納容器内部の損傷や落下物などを確認するとともに、格納容器底部付近へのアクセスルートを確認するために利用される。
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