タイヤの重要な仕様値の1つが転がり抵抗である。装着タイヤの転がり抵抗が低いほど車両の燃費向上に貢献できるからで、欧州の燃費規制では、車両とタイヤでそれぞれ燃費向上効果が見積もられているほど。国内でも2009年から、転がり抵抗の値を基に低燃費タイヤの等級を決めるラベリング制度が導入されている。転がり抵抗試験機は、その転がり抵抗を計測するための装置である。
ブリヂストンの技術センターは5台の転がり抵抗試験機を保有している。1977年から稼働している「惰行式転がり抵抗試験機」1台の他は、全てロードセルを使う「フォース式転がり抵抗試験機」である。フォース式転がり抵抗試験機は、従来の装置と最新式の装置があり、それぞれ乗用車向けとトラック・バス向けが用意されている。
これらのうち、乗用車向けとトラック・バス向けの最新式フォース式転がり抵抗試験機は、タイヤの転がり抵抗の“原器”ともいえる標準試験機になっている。欧州では標準試験機が10台あるものの、国内にはブリヂストンの技術センターの2台しかないのだ。国内のブリヂストンの競合メーカーも、この標準試験機を使って計測した転がり抵抗の基準となるタイヤ(アライメントタイヤ)によって、開発したタイヤの転がり抵抗を計測しているのだ。
なお、フォース式転がり抵抗試験機による計測時間は、乗用車の場合でならし約1時間+計測約10分、トラック・バスの場合でならし約3時間+計測約10分となっている。
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