井関農機は、女性の農業従事者向けに開発した「農業女子トラクタ」を開発した。2014年11月に発足した「農業女子トラクタプロジェクト」のもと、小型トラクタ「Z15」をベースに開発した特別仕様の「しろプチZ15」である。
井関農機は2015年6月9日、女性の農業従事者向けに開発した「農業女子トラクタ」を開発したと発表した。2014年11月に発足した「農業女子トラクタプロジェクト」のもと、小型トラクタ「Z15」をベースに開発した特別仕様の「しろプチZ15」である。同年9月に発売する。価格は137万2680〜149万1480円。年間販売目標台数は100台。
しろプチZ15は、農業女子トラクタプロジェクトに参加する女性の農業従事者の意見を取り入れている。運転席には、専用装備として、前後調整機能付きサスペンションシートを採用した。これは、男性の利用を前提としたシートが、女性にとって「ハンドルやペダルに手足が届かない」「長時間作業で疲れる」という課題に対応するためのものだ。サスペンションシートにより、女性の体格に合わせた最適な着座位置の調整が可能だ。また、凹凸の多い圃場でも快適に作業を行えるという。
燃料の給油についても工夫を加えた。一般的にトラクタへの給油は、燃料タンクを手で持って行うことが多い。しかし女性にとって大きな負担になることから、給油口の横に折りたたみ式の燃料給油台を設置し、給油時の負担を減らせるようにした。ボディカラーは、同社トラクタの基本色となっているブルーではなくホワイト。
この他、「作業中の日焼けが気になる」という意見から、昼間の日光を遮蔽できる大型サンバイザを搭載した。安全フレームと一緒に折りたたむこともできる。ペットボトルなどを置けるカップホルダーや、乗降性を高めるために両手でつかめるグリップとステップも装備した。
農林水産省は、農業に従事する女性が抱える疑問や課題を解決するため、2013年11月から農業女子プロジェクトを発足している。井関農機は、農業機械メーカーから唯一参加している。同プロジェクトの一環として、農業従事者の半数を占めると言われる女性が求めるトラクタの開発に取り組んできたのが農業女子トラクタプロジェクトである。
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