Bluetooth SIGがβ版提供を開始した開発キット「Bluetooth Developer Studio」のメリットを解説した。GUIや自動コード生成などにより、「学習時間を最大50%、開発時間を最大70%削減する」と大幅な時間短縮を実現する。
無線通信規格「Bluetooth」の規格策定や普及を目的とする団体「Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)」は2015年5月29日、β版の提供を開始したソフトウェアベースの開発キット「Bluetooth Developer Studio」についての説明会を開催、あわせて規格策定を進めているメッシュネットワーク「Bluetooth Smart Mesh」の状況についても説明した。
Bluetoothの最新バージョンである「4.2」は2014年12月に規格策定が完了しており、転送速度の高速化やプライバシー保護の強化、IPv6への対応などが図られている。加えて、メッシュネットワーク構成を可能にする「Bluetooth Smart Mesh」の規格策定が進んでおり、Bluetooth Smart Meshは2015年末にプロトタイプ提供、2016年上半期での実装が見込まれている。
Bluetooth SIGのビンセント・ガオ氏(テクニカルプログラムマネージャー・ディベロッパープログラム)は、Bluetooth対応機器の年間出荷台数は2000年が80万台であったものが、2015年には31億台、2019年には44億台にも拡大すると予測する。また、Bluetooth SIGへの加入社数も2015年には2万6000社以上になることが見込まれており、その中でも、アジア太平洋地域企業の伸びが目立つという。
既に多くのスマートフォンやタブレットがBluetoothに対応しており、ガオ氏は2018年に96%の携帯電話がBluetooth Smartに対応する見込みである他、今後、ウェアラブルとスマートホームの領域での採用が加速し、導入数でWi-FiやZigbeeなどを上回るだろうと予測する。事実、Bluetooth SIGのWebサイトへのアクセス数は前年比40%近く増加しており、開発ツールへのサインアップ数も増加しているという。
そこでBluetooth対応製品の投入を加速するため、Bluetooth SIGは開発キット「Bluetooth Developer Studio」を用意した。これは「レゴブロックのように開発できる」(ガオ氏)GUIベースの開発ツールであり、第三者提供のプラグインを導入することでコード生成までを自動で行える。サンプルとチュートリアルも含まれており、「Bluetooth開発の学習時間を最大50%、開発時間を最大70%削減する」とガオ氏は導入の効果を訴求する。
Bluetooth Developer Studioは現在β版での提供だが、各国からローカライズの要望が寄せられている他、「Bluetooth Developer Studioの提供は、Bluetooth導入のハードルを下げることが目的だ」(ガオ氏)と法人だけではなく個人向けの提供も視野に入れながら正式版提供に向けての準備を進めるとしている。
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