シングルソースCTでルーチンデュアルエナジー検査を可能にする新技術医療機器ニュース

シーメンス・ジャパンは、CT装置でのルーチンデュアルエナジー検査を可能にする新技術「TwinBeam Dual Energy」の搭載を開始した。汎用的なシングルソースCTでも、1回の照射でデュアルエナジーイメージングが可能になるという。

» 2015年04月15日 08時00分 公開
[MONOist]

 シーメンス・ジャパンは2015年3月26日、CT装置でのルーチンデュアルエナジー検査を可能にする新技術「TwinBeam Dual Energy(ツインビームデュアルエナジー)」の搭載を開始したと発表した。

 TwinBeam Dual Energyは、新たなX線管の設計により、1つのX線管から照射される1本のX線束を2種類のエネルギースペクトルに分割・最適化し、同時に2種類の異なるエネルギーの画像データを取得できる技術となる。これら2種類のデータにより、従来の単純な形態情報だけでなく、骨・血管・石灰化などの組織分別、腎結石の組成解析や描出、金属に起因するアーチファクトの低減、石灰化・骨の除去などが可能になった。

 また、造影剤成分のみを抽出した画像や、その比率を変えた画像を作成することもできる。反対に、造影画像から造影剤成分を取り除くことで、仮想的な非造影の画像を作り出せるため、非造影検査を省略できる。

 同社では、同技術をX線CT装置「SOMATOM Definition Edge」「SOMATOM Definition AS+」に搭載。汎用的なシングルソースCTでも、1回の照射でデュアルエナジーイメージングが可能になるため、ルーチンデュアルエナジー検査の導入を容易にし、検査全体での被ばく低減にも貢献できるという。

photo 左:TwinBeam Dual Energy概略図、右:関節に蓄積した尿酸を描出した痛風患者の臨床例

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