マグネシウム濃度が高水準の固溶強化型銅合金を開発 : 車載電子部品
三菱マテリアルは、三菱伸銅と共同で高水準のマグネシウム(Mg)濃度を持つ銅合金「MSP 5」を開発した。箱形への成形でも割れや破断が生じにくく、車載向け小型端子用途に対応できる。
三菱マテリアルは2015年3月19日、三菱伸銅と共同で高水準のマグネシウム(Mg)濃度を持つ銅合金「MSP 5」を開発したと発表した。車載用小型端子などの用途に向ける。
自動車の電装部品に使用される小型端子用合金材料には、コルソン系銅合金(Cu-Ni-Si系合金)などの析出強化型銅合金が多く用いられている。しかし、コルソン系銅合金は、端子への成形時に割れや破断が生じやすいなど、成形性に課題があった。
MSP 5は、独自の合金設計手法「高濃度Mgによる固溶強化」により高水準の濃度でMgを添加した固溶強化型銅合金となる。固溶強化型銅合金でありながら、同社グループ従来品のコルソン系銅合金と同等以上の強度・導電性・耐応力緩和特性を備えた。
また、端子への成形性も向上し、箱形への成形でも割れや破断が生じにくく、車載向け小型端子用途に対応できる。さらに、従来のコルソン系銅合金に対して、同質量で体積が約5%増加。同重量の銅合金から得られる端子個数が増えるなど、コストパフォーマンスにも優れるという。
“世界初”のマグネシウム合金鋳造技術を開発、製造コスト半減を実現
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と三協立山は、鍛造に直接供給できるマグネシウム小径ビレットの連続鋳造技術を確立した。従来と比べ約50%の製造コストダウンが実現可能だとしている。
マグネシウムが変えるか、日本のエネルギー問題
「電気は貯められない」。現在のエネルギー政策は、この主張が大前提になっている。だが、東北大学未来科学技術共同センター教授の小濱泰昭氏は、この主張に真っ向から異議を唱える。太陽光でMg(マグネシウム)を精錬し、Mgを組み込んだ燃料電池に加工する……、こうして、電力を物質の形で蓄え、輸送し、新しいエネルギー循環を作り上げられるという。同氏は実際に機能するMg燃料電池も開発した。
自動車軽量化の鍵はマグネシウム合金? GMが熱間成形加工を実現
General Motors(GM)は、マグネシウム合金の板金を熱間成形で自動車の構造部品に加工する技術を開発した。比重が鉄の4分の1、アルミニウムの3分の2と軽いマグネシウム合金を使った自動車部品の採用が拡大すれば、燃費の向上につながる自動車の軽量化をさらに進められる可能性がある。
ビスマス共晶はんだの欠点を克服、銅を使って粘りを高める
メタル・アンド・テクノロジーは、白金と共同出願していた「高安定性ビスマス共晶合金」についての特許を取得したと発表した。2014年6月12日から無償サンプルの提供を開始する。無償サンプルは、縦106×横44×厚さ7mmで、重量が200〜250gになる。
酸化チタン皮膜がエンジン部品の摩擦を低減、ドイツ化学大手のプラズマ電解技術
「エレクトロ セラミック コーティング(ECC)」は、アルミニウムやチタンで製造された自動車用部品などの摩耗や腐食、熱疲労などを軽減できるコーティング技術である。ドイツ化学大手Henkelの日本法人・ヘンケルジャパンは、日本市場におけるECCの事業拡大に向けて、その加工/試験施設を開設し、本格的な運用を始めた。
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