「おいまつさん。」は、夏の風物詩であるスイカ割りを、ロボットを使って遠隔地にいる友人同士で協力してやろうというコンセプトで開発された。その名も「スイカ割れんじゃー」。
GR-001の操作は5人で分担。前進、後進、右移動、左移動、そしてGR-001の腕に装着した刀を振り下ろす「必殺」をそれぞれ担当する。ロボットの操作は1人で1種類の行動しかできないので、スイカを割るには全員の協力が必要というわけだ。また、刀の振り下ろし動作には、開発担当者のこだわりの滑らかな動きが反映されているという。
各担当者からの命令がうまく伝わらずにGR-001が動作しないという課題があったが、動作の有無をフィードバックすることで解決した。プレゼン時間のデモでは、見事にスイカ(のミニチュア)を割ってみせた。
「Hack U 電気通信大学」が開発した「PAOmucation」では、V-Sido CONNECTは脇役で、主役は口にくわえて顔の筋肉を鍛えるフィットネス器具「PAO」だった。
チームメンバーの私物のPAOにEdisonや加速度センサー、ジャイロセンサー、フルカラーLEDを組み込んで、PAOの揺らし方からさまざまなモノとコミュニケーションを行うというのがコンセプト。センサーデータはEdisonを経由してサーバに蓄えられており、PAOの揺らし方によってLEDの光り方が変わる。
V-Sido CONNECTを搭載したGR-001は、PAOmucationのコミュニケーション対象として登場。PAOの揺らし方が小さくなってくると、GR-001が手を挙げて応援してくれる。またPAOの揺らし方が最高潮に達すると、リコーの360度カメラ「THETA」で記念写真を撮影してくれる。
この他にも、ドアの開閉の個人認証にPAOの揺らし方を使う事例を紹介するなど、90秒のプレゼン時間は、そのPAOの揺らしっぷりも含めてインパクト絶大だった。
なお、アスラテックの特別賞である「V-Sido賞」には、おいまつさん。のスイカ割れんじゃーが輝いた。審査員を務めた、同社チーフロボットクリエイターの吉崎航氏は、「ポーズを取るとかもっとホビー要素の強い応用が多くなるかと思っていたが、より生活に密着した開発事例が多くて驚いた。スイカ割れんじゃーもその1つで、ロボットとWebの融合を感じさせてくれた」とコメントしている。
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