また、2015年度下期から始める新たなサービスとして「立体視検証システム」と「ロボットインテグレーションサービス」を用意する。
立体視検証システムは、ステレオ3Dシミュレーターにより、従来にない現実感のある3D立体シミュレーションが行えるシステム。立体視デバイスとシミュレーションソフト、導入コンサルテーションなどを組み合わせて提供する。既にデジタルモックアップ技術や一部立体表示機器などの展開は行っているが、より精度を高めて本格展開を開始する方針だ(関連記事:次世代モノづくりのカギはバーチャル化とビッグデータ活用にあり)。
ロボットインテグレーションサービスは、生産ラインに産業用ロボットを導入する際に必要なインテグレーション作業を請け負うサービスだ。産業用ロボットは半完成品であり、実際の生産活動に利用できるようにするにはプログラミングやハンド部分の製作などさまざま付随作業が必要になる。自社工場にロボットを導入した経験などを生かして、これらの作業を代行する。また設備やメーカーごとに異なるプログラミング言語の違いなどを吸収する共通インタフェースの開発なども行う方針だ。
富士通 産業・流通営業グループ ものづくりビジネスセンター長の永嶋寿人氏は「ロボットの活用にはさまざまなノウハウが必要となる。生産技術部門などを保有している大企業であれば問題ないが、中小製造業などにとっては活用が難しい背景があった。ロボットインテグレーションサービスにより、これらのハードルを下げ、生産の自動化進展に貢献していく」と語る。
ロボットインテグレーションサービスの実現に向けては、ロボットメーカー各社やORiN協議会、日本電機工業会など、各種関連企業、関連団体に協力を仰いでいく方針だ。花田氏は「既にロボットメーカー各社との交渉は進めている。日本独自の標準を作るということは難しいと思うが、ICTベンダーとして各メーカーを結ぶハブのような存在になれればいい」と話している。
ドイツ政府が推進する国家プロジェクト「インダストリー4.0」。その目指すところは、現在よりも一段と高度化した生産システムです。同様のモノづくりのさらなる高度化に向けた取り組みは、米国や日本などでも巻き起ころうとしています。「インダストリー4.0が指し示す次世代工場の姿」特集では、「インダストリー4.0」が目指す姿や標準化の道のりなどを追うとともに、日本で高度な生産方法や生産技術に挑戦する動きを取り上げています。併せてご覧ください。
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