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» 2015年01月14日 11時00分 公開

ヒーローロボット対決再び、早とちりで変形〜「リアルロボットバトル 2014」密着取材リポート(前編)『ロボット日本一決定戦!リアルロボットバトル』の舞台裏(3/3 ページ)

[大塚実,MONOist]
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ROBO-ONEの強豪が初参戦

 続いては「風神」(風神プロジェクトチーム)と「GANTON-53」(日本大学理工学部精密機械工学科チーム)の対戦だ。日大チームは前回に引き続き、2回目の参戦。一方、風神は今回初出場であるが、キングカイザーとともに、優勝候補にあげる関係者が多かった。

photo 風神。目の部分で表情を変えることもできる

 それもそのはず、風神プロジェクトチームを率いるのは網野梓氏。丸氏と同じく、ROBO-ONEで優勝経験がある強豪だ。そして網野氏が設計したロボットの製造を手がけたのは浜野製作所。同社は前回、世界まる見え!テレビ特捜部チームの一員として出場しており、巨大ロボット作りのノウハウがある。その両者が組んだのだから、強いのはある意味当然だ。

 「風神」を名乗ることから分かるように、このロボットの特徴は風を利用した強力な必殺技である。ダクテッドファンを装着したランチャーが左右両側に備わっており、強力なエアフローによって、ボールをなんと300発も撃ち出すことが可能だという。この「乱風ガトリング」は恐らく、歴代(といっても2回しかないが)の必殺技の中でも、攻撃力はナンバーワンだろう。

photo ダクテッドファンで風を起こし、ボールを高速連射する
photo 撃ち出すボールは後部の"雨どい"の中に格納されている
ちなみに網野氏はこの数年、ダクテッドファンに凝っており、格闘技大会に空飛ぶロボットで出場したことも

 そしてパワーも強力だ。搭載されているモーターは本来、産業用ロボット向けのものだとか。パワーがあって危ないので、工場などでは通常、周りを柵で囲って立ち入り禁止にするレベルのモーターだという。さらにボルトが飛び出た拳を高速に回転させることで、接触したコアを確実に破壊。可愛い外見とは裏腹に、攻撃は全く容赦がないロボットである。

photo 拳の表面にはボルトが。攻撃範囲はかなり広い感じだ

 対するGANTON-53は、前回出場の「GANTON-52」と名前は似ているものの、全く別物のロボットである。GANTON-52はガソリンエンジンを搭載する油圧駆動ロボットというのが大きな特徴だった。しかし屋内で動かすには、排気ガスに注意する必要があり、消防法の規制も受けるなど、扱いにくかった。そのため、GANTON-53は他のロボットと同じような電気駆動に変更している。

photo 今回のGANTON-53
photo 前回のGANTON-52

 GANTON-53の特徴は6本腕を持つこと。下の2本は必殺技の「ギガントンズームパンチ」になっており、するするっと腕を伸ばすことで、遠距離からコアを狙う。また上の2本がメインアームなのだが、この動かし方がユニーク。操縦者の腕に9軸のモーションセンサー(加速度+ジャイロ+コンパス)を貼り付け、そのデータから腕の曲げ具合を検出して、モーターを動かす。マスタースレーブの一種だが、大がかりな装置が不要な点が面白い。

photo これが9軸モーションセンサーの基板。非常にコンパクト
photo モーションセンサーを片腕に3カ所ずつ貼り付ける。これだけでマスタースレーブになる

 試合は10対2で風神の完勝。ブーストを発動した風神に対し、接近戦に持ち込むことを選んだGANTONだったが、近距離はむしろ風神の間合い。カウンターで逆に大打撃を被ることになってしまった。またGANTONは外装が取れやすいのも弱点だった。パンチの衝撃で、なんと外装がコアごと落下。これでもコアを破壊されたことになり、不必要な失点を重ねたのはもったいなかった。

(後編に続く)

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