この記事は、2014年12月18日発行の「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたMONOist/EE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
先日、内閣府が「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」に関するシンポジウムを開催しました。SIPとは、日本発の新たな科学技術イノベーションの創出に取り組むプログラムです。同プログラムでは、今後の日本の経済・産業競争力の向上に向けて重要とされる10の課題が設定されています。
シンポジウムでは、10の各課題の概要が紹介されました。その中で個人的に気になったプログラムが「次世代海洋資源調査技術」です。現在日本は、さまざまな産業にとって必要不可欠なレアメタルなどの鉱物資源の多くを輸入に依存しています。しかしこのレアメタル、日本の管轄海域内に存在が確認されており、その埋蔵量は日本の産業活動に必要な分を全て賄えるほどという見方もあるようです。
現時点では、深海からの採掘技術が確立されていないため、日本の海に眠るレアメタルを使うことはできません。次世代海洋資源調査技術のプログラムでは、レアメタルなどの海洋資源の調査・採掘技術の確立や実用化を目指します。その中で重要な役割を担うのがロボットなのです。
- アベノミクス第3の矢を実現する10のイノベーション【前編】
安倍政権が推し進める経済再生政策の「第3の矢」を実現する上で重要な役割を担っているのが、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」だ。年間予算がそれぞれ数十億円に達するSIPの10のプログラムについて、「SIPシンポジウム」の講演内容に沿って前後編に分けて紹介する。
- 日本は本当に「ロボット大国」なのか
「日本のロボット技術は世界一」……。しかし東日本大震災による原発事故で最初に投入されたのは米国製ロボットだった。日本は本当に「ロボット大国」なのだろうか?
- 第3次ロボットブームは日本の課題を解決できるか
「Embedded Technology 2014/組込み総合技術展」のカンファレンスに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の坂本健一氏が登壇した。坂本氏は、現在第3次ロボットブームが到来しており、今後はサービス分野のロボット市場が急拡大すると説明。少子高齢化による労働人口の減少といった日本が抱える課題の解決に、ロボット活用が有効だと主張した。
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