日本電気制御機器工業会(NECA)は、事業領域拡大への取り組みを強化。従来のエンジニアリング領域における電気制御機器の展開に加え、新たに植物工場などの先進農業や医療機器領域に向けた取り組みを進める方針だ。
日本電気制御機器工業会(NECA)は、事業領域拡大への取り組みを強化する。従来のエンジニアリング領域における電気制御機器の展開に加え、新たに植物工場などの先進農業や医療機器領域に向けた取り組みを進める方針だ。
NECAは、電気制御機器産業を核とし、同機器の産業発展や標準化などの取り組みを行う団体。1964年に任意団体として設立され、1993年に社団法人化、2012年に一般社団法人へと移行している。リレーやスイッチやセンサーなどの制御機器やFAシステムなどを対象とし、これらに関連する産業の振興や標準化、安全基準の策定などに取り組んできた。
しかし、ICTの進化やモノづくりのノウハウを他産業で活用する動きを拡大する動きが加速。その中で制御機器やそのノウハウなどもさまざま領域で利用されるようになっている。これらの動きに合わせてNECAでも事業領域の拡大に向けた取り組みを強化。その中で対象としているのが、植物工場などを含めた「次世代農業」と「医療・介護」領域だ。
NECA 事務局長の和田実氏は「NECA会長の長崎春樹氏のもとで約1年前から将来の発展などを見据え、事業領域の拡大に向けた検討を進めてきた。その中で『政府の政策と足並みをそろえた領域拡大』を方針として定め、具体的に農業と医療・介護の2分野に的をしぼって取り組むことに決めた」と語る。
既に医療・介護などは、会員企業などが実ビジネスとして展開しているところもあり「事業化が早そうだ」(和田氏)としている。農業については、植物工場などは半導体製造などと同様、装置型製造業と似た面があるため、制御機器や制御技術を使用し親和性は高いはずだが「現状では動きは鈍い」(和田氏)としている。ただ、センサーなどを活用したスマートアグリなど、農業へのICT活用は今後広がると見られており「新規の事業領域として期待感は高い」と和田氏は述べている。
2015年2月4日と6日には、EUインスティテュート関西とともに「食の安全を支えるスマートアグリの展望と農業制御技術に関する日欧戦略的協同」をテーマとしたシンポジウムなども開催。本格的に農業領域での制御機器利用拡大を推進していく方針としている。シンポジウムの概要については、こちらのWebサイトをご覧いただきたい。
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