Toyota Safety Sense Pについては、国内向け一部車両のオプションに、周波数760MHz帯のITS専用無線通信を活用した協調型運転支援システムを採用する方針だ。
ITS専用無線通信は、道路インフラに設置された路側センサーとの間の路車間通信、ITS専用無線通信が可能な車載機を搭載する車両との間の車車間通信がある。これらのITS専用無線通信から、車両に搭載したセンサーでは捉えきれない情報を取得することで、運転支援システムの機能を補完し、さらなる事故低減に貢献できるというのが、今回発表したシステムだ。
具体的な機能としては、見通しの悪い交差点周辺で路側センサーが検知した対向車/歩行者の情報を路車間通信で取得してドライバーに注意喚起する機能や、車車間通信で先行車両の加減速情報を取得して追従性能を高め、燃費向上や渋滞の解消などに貢献する「通信利用型レーダークルーズコントロール」などがある。
この通信利用型レーダークルーズコントロールは、トヨタ自動車が2010年代半ばに実用化するとしていた、高速道路や自動車専用道路向けの次世代高度運転支援システム「オートメイテッド ハイウェイ ドライビング アシスト(AHDA)」そのものである(関連記事:トヨタの自動運転はプラチナバンドの車車間通信を活用、2010年代半ばに商品化)。
AHDAは、周辺の車両がITS専用無線通信が可能な車載機を搭載していないと利用できないという制限があり、導入初期はほぼ利用できない可能性が高い。しかし、トヨタ自動車が、限定的ではあるものの自動運転技術に相当する次世代高度運転支援システムの導入に踏み切ったのは確かだ。
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