第3次ロボットブームは日本の課題を解決できるかET2014 講演リポート(2/4 ページ)

» 2014年11月27日 09時00分 公開
[陰山遼将,MONOist]

ロボットのサービス分野への普及が拡大

 坂本氏は近年のロボット市場の拡大を「第3次ロボットブームと考えている」と語った。同氏はこれまでの日本国内のロボット産業の興隆について、「NEDOは1980年をロボット普及元年と捉えており、ここから主に産業用ロボットの市場拡大が進んだ1991年のバブル崩壊までを第1次ロボットブームと位置付けている。ホンダの『ASIMO』やソニーの『AIBO』が話題となった2000年を第2次ロボットブームになる」と説明する。

サイバーダインが開発した作業・支援用装着型ロボット「HAL 作業支援用(腰タイプ)」と「HAL 介護支援用(腰タイプ)」。2014年11月12日に生活支援ロボットの国際安全規格「ISO 13482」の取得を発表している(クリックで拡大)

 坂本氏はこうしたこれまでのロボットブームと、第3次ロボットブームの差異についてサイバーダインが開発したHALなどを例に、ロボットがこれまでの主流だった産業分野から、生活や介護などのさまざまなサービス分野へ導入が進んでいる点を挙げた(関連記事:サイバーダインの装着型ロボットが国際安全規格を取得、世界を目指す)。

 「2000年頃、ASIMOやAIBOなどさまざまなロボットが登場して話題となった。しかし、ロボットが人の生活の中に定着したとは言えず、『ロボットは本当に役に立つのだろうか?』という疑問も出た。2008年のリーマンショックで設備投資が落ち込み、ロボット産業もそのあおりを受けた。しかし近年、さまざまなサービス分野におけるロボットの活用拡大や、新たなロボットの開発が進んでおり、NEDOはこれを第3次ロボットブームと捉えている」(坂本氏)。

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