DMM.make AKIBAに集まる期待、「誰がどれだけすごいモノを作るのか」DMM.make AKIBAが正式オープン(1/2 ページ)

2014年11月11日にモノづくりに取り組むスタートアップ企業のための支援施設「DMM.make AKIBA」がオープン。その当日には施設内で記念イベントが開かれ、DMM.make AKIBAの関係者によるトークセッションなどが開催された。

» 2014年11月13日 10時30分 公開
[陰山遼将,MONOist]

 DMM.comが2014年10月31日に発表した、モノづくりに取り組むスタートアップ企業のための支援施設、「DMM.make AKIBA」が同年11月11日に正式にオープンとなった。秋葉原の富士ソフトビル内にある同施設は、製品開発から量産までを可能にする総額5億円、150点に及ぶ機材を備えたラボ施設や、事業の運営に関する各種コンサルティング、オフィス機能などを備えている(関連記事:機材総額は5億円! DMMが試作から量産まで可能なベンチャー支援施設を開設)。

 2014年11月11日のオープン当日には記念イベントが開かれ、DMM.make AKIBAの関係者によるトークセッションなどが開催された。

既に300人以上の登録者が

DMM.com 3Dプリント事業部 企画営業プロデューサーでありDMM.make AKIBAの総支配人である吉田賢造氏

 イベントにはDMM.make AKIBAの総支配人を務めるDMM.com 3Dプリント事業部 企画営業プロデューサーの吉田賢造氏が登壇し、開設発表後の反響について語った。2014年11月10日の時点で、施設内の見学ツアーには358人が参加しており、施設の利用登録者は当初の予定を上回る321人に達したという。「正直、ここまで反響があるとは想定していなかった。ハードウェア・スタートアップへの注目が高まっていると感じている。DMM.make AKIBAから世界に通用するスタートアップを生みだしていきたい」と語った。

 また、家電ベンチャーCerevo代表取締役の岩佐琢磨氏、ABBALab代表取締役の小笠原治氏、MOVIDAJAPAN代表取締役の孫泰蔵氏によるトークセッションも行われた。

ノウハウを提供しあう場として

ABBAlabの小笠原治氏(左)とCerevoの岩佐琢磨氏(右)。Cerevoは、DMM.make AKIBAの入居者へのモノづくりに関するノウハウの提供、ABBALabは支援プログラムの提供を担当している

 DMM.make AKIBAに導入した機材の選定を行った岩佐氏は「正直、誰が使うんだろう? というようなとてもハイレベルな機材も置かれている。でも、もっと上のレベルの開発を行いたいと考えた人が出てきた時に対応できるような機材をそろえたかった。すぐに使いこなす人がいるとは考えていないが、この施設を利用して誰がどれだけすごいモノを作るのかはとても楽しみにしている」と期待を語った。

 岩佐氏によれば、DMM.make AKIBAでは両手の上で抱えられるサイズまでであれば、カメラ、携帯電話機、スマートフォンのアクセサリーなどさまざまな製品の開発に対応できるという。「防水試験も行えるので、カメラやスマートフォンなどの周辺機器を開発することも可能。音響試験を行えるような部屋も用意しているので、アンプなどの音響機器の開発にも対応できる」(岩佐氏)。

 小笠原氏は「DMM.make AKIBAは、Cerevoのように既に製品を開発している企業や、これから始める人も集まる場所。この施設に興味を持ってくれる人たちと一緒に場を作っていきたいと考えている。スタッフの募集した際には、『ここで若者を支援したい』という大手メーカーを既にリタイヤされた方が何人もきてくれた」と話す。

 また岩佐氏は「ここにさまざまな人が集まることで、例えばA社が知らないことはB社が知っているといった状況が生まれるといいなと思っている。よく『Cerevoのノウハウを提供するというのは損になるのでは』といわれる。でも、例えば『岩佐さんの紹介だからこの委託を受ける』という工場もあるし、そういった交流の中でCerevoにメリットがある場合もある。こちらからもノウハウを提供していくし、自分たちが知らないことはどんどん教えてもらいたい」と語る。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.