ハイブリッドバスの分野でリードするVolvo Buses(ボルボバス)は、最長で7kmのEV走行が可能なプラグインハイブリッドバス(PHEVバス)「Volvo 7900 Electric Hybrid bus」を発表した。既にボルボは、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックをきっかけに、約600台ものハイブリッドバスを英国に納入した実績を持ち、現在までに累計で1300台以上のハイブリッドバスを販売している。
IAA国際商用車ショー2014でPHEVバスを発表した背景には、欧州委員会(EC)による、「2015年までにバスのノイズを低減する」という方針がある。ボルボバスでは、市街地をEV走行できるPHEVバスの存在意義が増すと考えた。補助金や税の軽減を合わせると、7年程度で一般的なエンジンを積んだバスとの車両価格の差を吸収できるという予想をしている。
ボルボバスで、車両および安全部門のマネジャーを務めるPeter Danielsson氏にインタビューした。
「将来的には、スウェーデン政府とともに非接触充電による連続充電の試験もスタートする予定です。EV走行であれば、バスステーションなどの建物内まで入っていけるため、雨の多い地域では有利です。テレマティクスによるオペレーションの効率化も進めており、ハイブリッドバスとともに導入するケースも多い。EVバスや燃料電池バスも検討はしていますが、開発リソースが限られるので、現段階ではハイブリッドバスとPHEVバスに特化する方針です」(Danielsson氏)。
マンと同じくフォルクスワーゲングループに属するScania(スカニア)も、ハイブリッドシティバス「Scania Citywide LE」を出展していた。欧州におけるバス運用が8〜10年以上という実績から、補助金がなくても4〜6年でペイすると予想している。
スカニアのシティおよびサバーバン部門で、バスとコーチのセールス&マーケティングを担当するChrister Svensson氏の話では、「フォルクスワーゲングループに属してはいますが、開発はスカニア独自で行っています。実証試験の実績はありませんが、公道でのテストは済んでいます。技術的には、このIAA国際商用車ショー2014開催中に受注が入れば、そのまま生産できる段階にあります」という。
システムの詳細は回答できないとしたが、二次電池は安定性からMagna International(マグナ)製を選んだとの回答を得た。さらなる詳細を取材しようとマグナのブースを訪れると、多様なエネルギーにフレキシブルに対応するシャシーが展示されていた。樹脂製の軽油タンク/圧縮天然ガス(CNG)タンク/ハイブリッドシステム+二次電池のいずれにも対応できる設計で、ダイムラーとスカニアが採用している。
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