2014年7月時点の自動車業界、プラント・エネルギー・インフラ業界の転職市場状況を紹介。
本記事は人材紹介会社「メイテックネクスト」河辺真典氏からの寄稿です。
新興国の経済発展等を受けて、まだまだ世界レベルでの自動車に対する需要拡大は続くと考えられることから、自動車業界の求人は引き続き活況が続くと思われます。
しかしながら、現状では競争力がある日系自動車メーカーも先進国市場の競争の激化、新興国市場の成長スピードの加速などから、生き残りをかけての環境は今後ますます厳しくなることが予想されます。
海外シフトの進展など、完成車メーカーにひもづくサプライヤーの動向を見ても、新興国市場を含めた国際競争力をどう高めるかが事業の維持・拡大にとって非常に重要なポイントとなってくるでしょう。
そのためには、完成車メーカー・部品サプライヤー共に、次の3点が今後ますます重要なポイントになってくると思われます。
こうした企業ニーズに応えられる経験や知識のある人材が、これから必要とされることでしょう。
また自動車を取り巻く法規制も、今後グローバル規模で厳しくなってくる傾向が明らかです。その方面からも新しい環境性能を取り込んだ新技術の開発が、各メーカーの課題の1つとなってきます。
このような点からみると、いわゆる典型的な機械設計求人のみならず、アプリケーションエンジニア、生産技術、品質保証、品質管理、生産管理、また新素材開発、それにひもづく性能評価業務など、従前より幅広い業種・職種のニーズが顕在化しており、それらの業務経験をお持ちのエンジニアにとってのチャンスはますます広がってくると思われます。
さらに海外への拠点シフトの加速が必然である以上、即戦力性プラス英語力をお持ちであれば、市場価値はなお高まります。
プラント業界の求人の動向は、昨年から今年にかけて増加傾向にあります。大手エンジニアリング会社が大型案件を受注しており、それに伴って中堅エンジニアリング会社やプラント機器メーカーの求人が多数出ている状況です。
プラントの分野においては、大きく分けて3つ、石油化学、再生エネルギー、クリーンエネルギーの分野で求人が出ています。具体的な業務は、プラントエンジニアとして腕の見せどころである「具体的な設計・施工フェーズ」が多く、自身が関わったプラントが実際に目に見える形で建設されていく様を身近に感じることができる求人が多くあります。
「自身の経験が生かせる分野は何か?」「どの立ち位置で働きたいか?(オーナー側 or エンジニアリング側 or 機器メーカー)」など、しっかりと見極め、選択できる状況であると言えます。
また、資格を取得し経験を積めば、長く現役のエンジニアとして働けるのがプラントエンジニアの魅力の1つ。そして海外案件が多い業界ですので、英語力をお持ちの方は、異業種からチャレンジできる点も魅力です。
河辺 真典(かわべ まさのり)
株式会社メイテックネクスト コンサルタント 統括マネージャー。
元生産技術のエンジニアとして5年勤務し、前職リクルートエージェントでエンジニアの転職紹介を8年経験した後、メイテックネクストでエンジニアの皆さまのさらなる転身のためにサポートしております。
エンジニアの皆さまの今までのご経験とご希望、それに時間軸を加えた3軸で、皆さまの転職を分析し解きほどいていきますと、今まで混沌としていた転職も、おのずと方向が見えてきます。
面談ブースで皆さまとお話しさせていただくことによって、そういったお話しを見い出せたらなと思い、日々仕事をしています。
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