ここからは、プログラムが実行される流れを解説していきます。
まず、Cプログラムは関数という形式で記述する約束になっています。main関数はプログラムの実行開始時に呼び出される特別な関数で、Cプログラムには必ず存在するものです。
main関数の記述方法は以下の通りです。
int main(void) { 変数宣言…… 文…… return 0; }
main関数を書くことを「main関数を定義する」と言います。
多くの場合、Cプログラムは他の関数を呼び出して、その関数に仕事を任せます。inch.cでは、scanfとprintfの2つの関数を呼び出しています。
printf関数とscanf関数の定義は、C言語プロセッサ(C言語の開発環境)という外部ライブラリで提供されます。よってCプログラムでprintf関数やscanf関数を使うときは、プログラムの先頭に、
#include
と書かなければなりません。
Cプログラムでは、関数の名前を記述することで、その関数を呼び出せます。そして関数名の後に続く括弧()内に記述した内容が、呼び出す関数に渡すデータ(引数と呼びます)になります。引数が2つ以上ある場合には、個々の引数をカンマ(,)で区切って並べます。
Cプログラムの定数、変数、関数といったもの(オブジェクト)には、「型」があります。Cプログラムでは型によって、そのデータの意味が決まります。Cプログラムを作るときには、この型を忘れてはいけません。
C言語の数値の型には、「整数」と「実数」あります。
数学でいう整数のように、0、1、2、3……または−1、−2、−3……のような小数部のない数を扱う。プログラムで、ものの個数、番号、金額などを扱うときは整数とする。C言語で整数は、コンピュータ内部で2進数であることが決められている。
数学でいう実数のように区切りのない連続した数を扱う。長さ、重さ、平均などを扱うときは実数とする。C言語で正しくは「浮動小数点」と呼ぶ。コンピュータ内部の表現は、処理系よって異なる。
C言語の記述による整数と実数の区別は簡単で、例えば“3”のように、小数部の記述がないものは整数、“3.14”のように小数部を記述すると実数になります。数学では3と3.0は同じ数値ですが、C言語では“3”は整数、“3.0”は実数なので、コンピュータでは別の演算がなされます。
C言語で整数型は“int”で表します。実数型は“float”または“double”で表します。
再度inch.cを見てみると、mainの前にintと書かれているので、これは「main関数はint型の数値を返す」という意味になります。
次にfloatが記述されている行を見てみましょう。
float i, c, f;
これは「変数宣言」で、i、c、fはfloat型の変数、つまり変数i、c、fは実数を持つことを示しています。
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