マツダの次世代技術「SKYACTIV」を象徴するボディカラーとなっている「ソウルレッドプレミアムメタリック」。ベースになったのは、「デトロイトモーターショー2007」に出展したコンセプトカー「流雅」のボディカラーである。熟練技術者が13層もの塗膜を重ねたこの流雅レッドを、ソウルレッドとしてどのように量産技術へ昇華したのだろうか。
マツダは、2012年11月発売の「アテンザ」から、赤色の車両ボディカラーとして「ソウルレッドプレミアムメタリック(以下、ソウルレッド)」を採用している。現在では、アテンザの他、SUVの「CX-5」や2013年11月発売の「アクセラ」でも選択可能となっており、次世代技術「SKYACTIV」を象徴するボディカラーとなっている。
マツダの一般ユーザーを対象にしたイベント「サステイナブル“Zoom-Zoom”フォーラム2014」(2014年3月15〜16日、マツダR&Dセンター横浜)では、このソウルレッドについての技術解説が行われた。
マツダは、車両のボディカラーとしての赤色にこだわってきた歴史がある。「ファミリア」や「ロードスター」、「RX-8」といった名車は赤色のイメージが強い。ソウルレッドは、マツダが誇る赤色の系譜を継いでいるのだ。
ソウルレッドにはベースとなる赤色がある。2007年1月の「デトロイトモーターショー2007」に出展したコンセプトカー「流雅(りゅうが)」だ。流雅は、流れる溶岩をイメージした「Lava Red」をボディカラーに採用。「沸々とわき出る溶岩の力強さを表し、光と影の効果によりボディ表面は黄色や青色に変化し、ボディの立体感を強調する」(同社)として、色の鮮やかさ(彩度)と、深み・陰影感を両立する赤色に仕上げた。
流雅の赤色の塗装は熟練技術者の手によるものだ。「この『流雅レッド』は、匠の技により13層もの塗膜を重ねることで実現できた」(マツダの説明員)という。
流雅レッドを何とか量産車で実現したい。そこで流雅レッドについて、分光計などを使って詳しく分析し、工場の塗装ラインで実現するための手法を模索したのである。
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