頭の中のアイデアを「Arduino(アルドゥイーノ)」で実現!! 筆者と一緒にモノづくりの喜びや難しさを体験・体感してみよう。今回は、ArduinoでDCモーターを制御して「ベンハムのコマ」を作るぞ!! モーターの扱い方をマスターすれば、動きのあるガジェットも作れるようになる!
読者の皆さま。新年、明けましておめでとうございます! 今年も本連載への応援と愛のあるツッコミをどうぞよろしくお願いします。
今回は、お正月にちなんで「コマ」を作りたいと思います。挑戦するのは、白地に黒色の模様を描いたコマです!!
「えっ、いまどきコマって……。しかも、白黒の地味なコマなんて作って何が面白いの?」と思われたかもしれませんが、ご安心(!?)ください。回してみるとアラ不思議! 白黒だったコマの表面に赤、青、紫と“色”が浮かび上がってくるのです。このコマは、「ベンハムのコマ」と呼ばれるもので、筆者が子どものころに見たアニメ『一休さん』のとんち話にも登場するそれはそれは不思議なコマなのです。
というわけで、白黒なのに色が浮かび上がる不思議なベンハムのコマを、「Arduino」を用いて実現していきます。筆者はこれを「ベンハムのコマ実験装置」と名付けました! じゃじゃーん(画像1)。
コマの回転速度により、見える色が変化するので、今回は半固定抵抗を“ボリューム”にして、モーターの回転を制御します。半固定抵抗のつまみを中央にしたときは「停止」し、右に回すと「右回転」しながら速度アップ、左に回すと「左回転」しながら速度アップするようにします(動画1)。
それでは、今回使用する部品を示します(画像2、表1)。
DCモーターの回転を制御するために、DCモーター用ドライバIC「TA7291P」を使用します。このICを使えば、モーターを「正転」「逆転」「ストップ」「ブレーキ」の4つのモードでコントロールできます(画像3、表2)。
今回は、DCモーター用に外部電源(単三電池4本)で6Vを供給しています。実験に使用する小型DCモータ「FA-130」は、適正電圧が1.5Vです。TA7291Pからそのまま電圧を掛けると、モーターに過電圧が加わってしまいます。そこで、TA7291Pの制御電源端子(4番ピン)を使って、モーターへの印加電圧を調整します。具体的には、「R1」と「R2」で“約3:1”になるよう分圧し、制御電源端子へ約1.5Vの電圧を掛けます。こうすると、TA7291Pの出力端子には1.5V以上の電圧が掛からないため、モーターを安全に制御できます。
それでは、ブレッドボード上で回路を作成してみましょう。回路図と部品配置図を以下に示します(画像4、画像5、画像6)。
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