両親の健康不安など、「家庭の事情」で転職を余儀なくされる人はたくさんいます。そんな中でも、地方に工場・支社があるメーカーで働く製造業エンジニアは「家庭の事情」に強い職種。仕事へのこだわりを諦めなければ、返り咲くチャンスもあります。
本記事はパソナが運営する人材紹介サービスブランド「パソナキャリア」からITmediaキャリアに寄稿された記事に加筆・修正して転載しています。
転職活動をサポートする中でよく耳にする言葉、「家庭の事情」。今回は家庭の事情による転職の事例を紹介します。
家庭の事情、といわれると、深い事情を聞くことがはばかられるのではないでしょうか。
そのため競合他社に転職する場合など、詳しいことを聞いてほしくないときに、「家庭の事情」と理由を濁して退職する方がいるようです。
「親の介護」というと、まだ先の話と思う人が多いようです。しかし、30歳前後でも家族の事情で親の面倒を見なければならなくなる人がいるようです。地方に住む家族のためだけでなく、妻や子どもへの対応で今までどおり残業を行うことができなくなり、転職を余儀なくされるケースもあります。
別記事の「事業撤退による退職」と同様、「家庭の事情」は本人の意図しないところで退職または転職せざるを得なくなる代表的な理由です。もし、首都圏から地方企業に転職するとなれば、転職先の選択肢は狭まり、年収も低水準となるかもしれません。
転職が避けられなくなったとき、多くの場合は「家族の面倒が見られる」という条件が優先事項となるため、年収や仕事内容に対する関心は低くなりがちです。しかし、状況が落ち着いてくると、転職に対して本意ではなかったと感じる人が少なくありません。
今回は、「家庭の事情」で転職した後、状況が落ち着いたため、再び転職を決意して相談に来た松本さん(仮名)のケースを紹介します。
松本さんは某国立大学工学部を卒業後、通信キャリアに就職しました。交換機の設計などに3年ほど関わりましたが、通信キャリアで開発できる範囲に限界を感じるようになり、転職を決意しました。
大手の総合機器メーカーに転職できた松本さん。転職先では、デジタル通信機を開発するプロジェクトに配属されました。松本さんは温厚な人柄と技術の習得能力の高さを評価され、大規模プロジェクトのリーダーを務めるまでになりました。
そんなとき、地元の父親の病気が発覚。当初は母親が対応していたものの、疲労から母親まで倒れてしまったのです。母親はすぐに回復しましたが、1人っ子の松本さんは、家族の近くに住むことを決意しました。そこで、地元のソフトウェア開発請負会社に転職し、母親を支えることになったわけです。
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