アップルは、年内に発売するPC新製品「Mac Pro」を米国内で生産することを明らかにした。米国では製造業の国内回帰の動きが活発化しており、アップルの動きはそれに拍車を掛けるものと見られている。
アップルといえば「Designed by Apple in California」をブランド化する一方で、生産は台湾のフォックスコンなどEMS(電子機器受託生産サービス)に委託生産するビジネスモデルが有名だが、そのアップルが米国内での一貫した設計・開発、生産を行うという(関連記事:製造業の米国回帰を後押しする“4つの波”とは?)。
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2013年10月22日(米国時間)にアップルは新製品発表会を行った。その中で発表した新型「Mac Pro」は米国内で一貫して設計・開発・生産を行ったことを明らかにした。新型「Mac Pro」の詳しいスペックなどについては、PC USERの記事「円筒形の新生「Mac Pro」は12月発売、31万8800円から」に譲るが、発表会の中でも最先端のロボットを駆使した生産工程が示された。
新しいMac Proは、米国テキサス州、フロリダ州、イリノイ州、ケンタッキー州などで、製品全体の組み立てと一部の部品加工を行っているという。アップルでは独自の製造工程による同製品の組み立て工程をビデオで公開している。
米国では、バラク・オバマ大統領の「製造業強化」の方針を掲げたこともあり、製造業の米国内への回帰が進んでいる。ゼネラル・エレクトリック(GE)やフォード、キャタピラーなどが既に中国や日本の工場から米国に生産を移管するなど、徐々にその動きは広がりを見せている。
アップルも2012年末のインタビューでCEOのティム・クック氏が「一部の製品を米国で生産する」と宣言しており、その生産動向に注目が集まっていた。
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