学生時代の専攻で仕事を選んでも、うまくいくとは限らない製造業エンジニア、転職活動の心得(1/2 ページ)

現在の仕事内容が自分の望んだものではなく、「学生時代の専攻を仕事にしたい」と思う人もいることでしょう。しかし学生時代の専攻が面白かったのは、学生だったからかも。転職して仕事を変える前には一考が必要です。

» 2013年09月24日 10時00分 公開
[MONOist]
photo

 

本記事はパソナが運営する人材紹介サービスブランド「パソナキャリア」からITmediaキャリアに寄稿された記事に加筆・修正して転載しています。



 エンジニアの転職活動をサポートしていてよく聞くのが、「学生時代の専攻に関わる仕事をしたい」という希望です。読者の中にも、関連した学歴を持っていて、これから専攻を生かせる業界に飛び込みたいという人がいるのではないでしょうか。

学生時代の専攻に関わる仕事

 学生時代の専攻に関わりたいと思うのは自然なことです。学生時代は、最も興味のある分野を選ぶことが多いからです。

 しかし就職する際の企業選びでは、会社のイメージや年収など、他の要因を重視することもあります。その結果、「本来の興味とは遠い企業に入社してしまった」という人は少なくないでしょう。企業に入った後も、当然のことながら、自分の希望の職種に配属されるとは限りません。本来の興味と異なる仕事をしている人は多いはずです。

 そんな中、電気・電子工学やシステム・情報工学などを学生時代に専攻していた人は、他の専攻に比べるとチャンスがあります。これらの専攻を武器として転職活動を行うことのできる、未経験でも応募可能なエンジニアの求人が少なからず存在するからです。

 企業の採用では、関係する専攻の出身であることを評価の対象とするだけでなく、応募の必須要件とする企業もあります。また、組み込みエンジニアなどの求人では、未経験者の応募要件としてプログラミング経験を求める企業が多いのですが、その際には学生時代の経験も考慮されるケースがあるのです。

転職しようとするのであれば

photo

 では、転職する際に気を付けるべきなのは、どのようなことでしょうか。

 今まで経験してきた業界・職種が希望する業界・職種とあまり関係していないのであれば、早めに行動に移す必要があるかもしれません。まったくの未経験で応募できる求人は限られていますし、職種の転換をした場合には、ずっと同じ職種として働いている同年代のライバルに比べると、経験の差が開いてしまうことになるからです。

 ちなみに、組み込みエンジニアからメーカーへ転職するケースでは、次のようなキャリアステップで成功している人が多いようです。

  • 20代のうちに請負開発の組み込みエンジニアとして1社に勤務
  • そこで5年程度の経験を積み、その後、転職活動を開始
  • 30代前半までにメーカーへ入社

 メーカーによっては、転職回数が多いことを好まない場合があるので、最初のキャリアは5年程度、同じ会社で継続して勤務することが多いようです。もちろん、最終的なポイントは年数だけではなく、経験の質や本人のやる気が重要であることは言うまでもありません。しかし、目安にはなるでしょう。

 とはいえ、安易な転職は考えものです。憧れだった組み込みエンジニアになっても、結局は転職前と似たような悩みを抱えて、再び転職を考えるというケースもあります。ここで1つ、ある事例をご紹介します。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.