2013年7月時点の組み込みソフト分野、医療機器業界の転職市場状況を紹介。
本記事は人材紹介会社「メイテックネクスト」河辺真典氏からの寄稿です。
組み込み分野では、大手メーカーから、通信技術、画像処理技術など有力なコア技術を持つベンチャーまで、求人の裾野は引き続き拡張傾向にありますが、同時に採用側の求めるスキルの細分化も進み、採用基準は高くなっていると言えるでしょう。
その中でも、引き続き業績が堅調な自動車業界では、バッテリーコントロール・車載カメラ・通信・ECU制御など、安全・環境基準の強化に伴った対応が急務であり、予防安全を中心に新規開発への人材投入が急がれ、異業界出身のエンジニアにもチャンスが広がっています。
通信業界では新規格対応のためのプロトコルに関わるニーズとスマートフォン・タブレットの普及に伴うアプリケーションソフトの開発とでニーズが二極化しています。
また、自動車業界を中心に、新規部品・モジュールの製品化に伴い、新しい生産設備の導入や設備への新機能追加も必要となっており、自社設備開発エンジニアのニーズや、それにひもづいた工作機械や検査装置などの一部産業装置メーカーでも、マイコン制御・GUIに関わる求人のニーズが好調です。
国の政策として、平成15年度の「医療機器ビジョン」や平成24年度に「革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業」が実施され、“より優れた”、“より安全性の高い”わが国発の革新的医療機器の開発を通じて、国民のみならず世界の患者の保健医療水準の向上に貢献するよう、医療機器産業の国際競争力の強化を目指す取り組みが行われています。
この影響を受け国内の医療機器メーカーは、開発・設計強化を背景に通年での求人募集を行っています。また、再生医療分野に付帯した機器・装置の市場も形成されるので、今後は、さら増えるものと予想されております。
また、医療機器分野に従事している技術者は、薬事法などの知見を有しているため、通常としては、経験者を求められますが、昨年から未経験でも応募可能な求人も散見されております。今後は未経験でも、飛び込むチャンスが広がりそうです。
一方、外資系医療機器メーカーでも、国内の各病院での医療体制拡充から、積極的に機器・装置の導入が進み、導入関連のコーディネーション求人やサービス・フィールドエンジニア求人がこの4月以降、増加傾向になっています。
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