「3Dプリンタによる量産」は近い将来に起こり得るのか。求人動向から考えるニュースからひもとくエンジニア求人動向(2/2 ページ)

» 2013年06月14日 08時00分 公開
[MONOist]
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「3Dプリンタを活用した量産」よりも優先度の高い生産技術革新

 話は変わりますが、ある自動車メーカーに訪問させていただいた際、「海外製造車両の受注を獲得するために武器となるのは、部品の技術開発も重要だが、その部品の製造工程を自動化パッケージにすることで、ロケーションを選ばず、品質やコストを安定化させるモノづくりの信頼性も重要だ」というお話を伺いました。

 新興国において人件費が上昇する中、安直に安い人件費だけを求めて海外進出するケースが少なくなってきました。一方、新興国という大きな市場を狙って、同国内に生産拠点を作ろうという戦略に基づいて海外進出するケースは増えていくことでしょう。その際に、ロケーションを選ばず、適正な品質・コストで製造できる自動化パッケージを整えておくことが非常に重要なテーマなのだとあらためて感じました。

 つまり直近の求人情報を見る限り、ここ数年のうちに「3Dプリンタを活用して量産しよう」という劇的な生産技術革新が起きる可能性は低いのですが、「ロケーションを選ばず適正な品質・コストで製造できる自動化パッケージ」による生産技術革新を着実に進めようとする動きを国内メーカーは見せています。

 「3Dプリンタを活用した量産」ではないにせよ、「ロケーションを選ばない自動化パッケージ」を実現するのも技術的には大きなチャレンジです。生産技術エンジニアの皆さん、グローバルシフトを加速し、さらなる進化の途上にある国内大手メーカーで、技術革新という武器を手にグローバルで戦うチャンスは今です。

プロフィール

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河辺 真典(かわべ まさのり)

株式会社メイテックネクスト コンサルタント 統括マネージャー。

元生産技術のエンジニアとして5年勤務し、前職リクルートエージェントでエンジニアの転職紹介を8年経験した後、メイテックネクストでエンジニアの皆さまのさらなる転身のためにサポートしております。

エンジニアの皆さまの今までのご経験とご希望、それに時間軸を加えた3軸で、皆さまの転職を分析し解きほどいていきますと、今まで混沌としていた転職も、おのずと方向が見えてきます。

面談ブースで皆さまとお話しさせていただくことによって、そういったお話しを見い出せたらなと思い、日々仕事をしています。


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