デンソーは、車載用として世界初となるスマートフォン用ワイヤレス充電器を開発した。これによって、スマートフォンと車載情報機器の接続を全てワイヤレスで行うための道が開けてきた。
デンソーは2012年1月22日、車載用として世界初となるスマートフォン用ワイヤレス充電器を開発したと発表した。北米市場でトヨタ自動車が販売している大型セダン「Avalon Limited」のオプション品として、2013年春に発売される予定だ。
今回開発したワイヤレス充電器は、スマートフォンへの採用が広がっているQi(チー)規格に対応している。運転席と助手席の間に設置した充電パッドに、Qi規格対応のスマートフォンを置けば充電を行える。車両内に新たな無線システムを搭載する場合、AM/FMラジオやスマートキーなど既に車両内に搭載されている機器に対する電磁波干渉が起こらないようにする必要がある。デンソーのワイヤレス充電器は、これらの問題をクリアすることで車両への搭載を実現したとみられる。
北米市場では、車載情報機器とスマートフォンをBluetoothで無線接続することが多い。その一方で、車両内でスマートフォンを充電するには、USBインタフェースなどを用いた有線接続が必要であり、このときにはBluetoothによる無線接続の利便性が得られなくなってしまう。このため、車両内でのスマートフォンの充電もワイヤレスで行いたいという需要があった。
トヨタ自動車も、車載情報機器とスマートフォンを連携させる際には、通信接続も充電もワイヤレスで行いたいという見解を示している(関連記事)。
トヨタ自動車が想定する車載情報機器とスマートフォンの連携。2012年3月開催の「第3回 国際自動車通信技術展」で、同社常務役員の友山茂樹氏が示した。「オンデマンドディスプレイ(ODD)」と呼ぶディスプレイオーディオとスマートフォンをWi-Fiで通信接続しながら、スマートフォンへの電力供給はワイヤレス充電で行っている。(クリックで拡大)。
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