数百万円相当のCAEが55万円で使えるクラウドサービスオートデスクの新サービス発表

オートデスクはクラウドでCAEソフトウェアが利用できるサービス「Autodesk Simulation 360」を発表した。ISO 27001準拠の「Amazon Web Services(AWS)」を利用しているため、セキュリティ面も安心だという。年間ライセンスは、55万1250円から。

» 2012年09月13日 14時00分 公開
[小林由美,@IT MONOist]

 オートデスクは2012年9月13日、同社のクラウドサービス「Autodesk 360」を核とした「Autodesk Simulation 360」(オートデスク シミュレーション 360)を発表した。同サービスは、クラウドでCAEソフトウェア(詳しい内訳は後述)を提供するもの。提供開始は、2012年9月15日から。

 同サービスでは、オートデスクのアカウントサービス Autodesk IDを使ってWeb上のAutodesk 360にアクセスすることで、構造や流体、疲労などさまざまな解析ツールが利用できる。メッシュ生成や計算をする際には「Simulation Job Manager」が立ち上がり、クラウド上のコンピュータで演算処理が実行される。

Autodesk 360から起動した流体解析ツール「Autodesk Simulation CFD 2013」
Simulation Job Manager
Autodesk Simulation CFD 2013のソリューション アダプティブメッシュ機能

 なお、設計データや3次元モデルは、計算時にその一部が使われるものの、クラウドにはデータを残さない。解析結果やポスト図については、ユーザーの作業PCに保存される。

 データセキュリティについては、ISO 27001準拠の「Amazon Web Services(AWS)」(HTTPSサーバサービス)を利用することで担保する。

 サービスの詳細については、下図の通りだ。

Autodesk Simulation 360の概要

 同サービスは、年間ライセンス契約で提供する。提供はひとまず英語版のみで、日本語版の提供は2012年11月を予定している。日本語版開始までは、廉価版についても利用ジョブ数を制限しない。

 Autodesk Simulation 360は、従来のCAEソフトウェアの初期投資価格の700万〜800万円相当だと同社は説明する。

 日本語版の提供開始後、上限付きの製品で120を超えるジョブ数となった場合、追加料金が発生する。メッシュ作成そのものについては、1ジョブと加算しない。追加料金の額については、現在検討中ということだ。

 Autodesk Simulation 360の利用メリットについて、同社は下記を挙げた。

  1. いつでもどこでも、設計情報や書類にアクセスできる
  2. スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで活用できる
  3. 複数の設計者間でドキュメント共有やオンラインコラボレーションができる
  4. クラウド上の計算リソースを利用することでデスクトップPCの演算負荷を軽減できる
Autodesk Simulation 360の利点について

 今後、同社では樹脂流動解析ソフトウェア「Autodesk Moldflow」もAutodesk Simulation 360で提供することを検討している。

Autodesk Simulation CFD 2013の解析例

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