設計は、ケースとパネル、そこに収まる電子基板だけで成り立つ。基板には、2桁(けた)の7セグメントLEDを3つ、スピーカーとmini USBコネクターを1つずつ実装している。
筐体は樹脂製で、この記事公開時点で、ケースの塗装とパネルの試作まで完了している。
今回はコストダウンが大きな課題となった。「企画からして、高過ぎる値段では成立しないと考えました。『欲しい』という声に応えるには、“ノリで買えるくらいの価格”に抑えることが不可欠でした。部品調達のルートや素子の選定など、あらゆるポイントから工夫し、1つ1つコストを下げ、何とか今の価格に設定できました」(八木氏)。
「パネルの透過度については、現在、最適化中です。パネルの印刷濃度と、LEDの明るさを調整して、最終決定します」(八木氏)。
電子基板は、「バージョン1」で動作確認が完了し、「バージョン2」を設計中ということだ。クライアントソフトは、Mac版とWindows版を用意。
今回は、技術的なことやクラウドファインディング(後述)のスケジュールの都合から、基板とソフトウェアについては、八木氏の知り合いであるソフトウェア開発会社 株式会社鳥人間(東京都新宿区)に依頼した。同社は、iOS/Androidスマートフォンのアプリ開発などに携わり、Facebook関連のアプリ開発の経験もあった。
ここも、エンジニア2人で成る小さな会社で、さまざまな面白アプリを開発する(以下、関連記事)。
八木氏は、「NOTICEが欲しい」という人を募るため、アメリカのクラウドファンディングサービス「Kickstarter」に出品した。同氏自身も初めての取り組みだ。クラウドファンディングというのは、プロジェクトの資金をSNSを通じて募る仕組みだ。日本における同種のサービスでは、ハイパーインターネッツ(東京都港区)が運営する「CAMPFIRE」が有名だ。
Kickstarterは、アメリカの企業でないとエントリーできないため、アメリカ法人を持つCerevo(東京都千代田区)が代理出展する。Cerevoも数少ない日本の家電系ベンチャーの1つで、ビーサイズにとっては、先輩企業だ。
Cerevoは、ガジェットに特化したクラウドファンディングサービスの「Cerevo DASH」も運営している。こちらは、CAMPFIREの仕組みを利用したサービスだ。ちなみに、MONOistの記事で何度か取り上げたニットー(横浜市金沢区)の「iPhone Trick Cover」も、CAMPFIREにエントリーしてCerevo DASHにも露出し、支援金額は早期に目標達成した(以下、関連記事)。
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今回クラウドファンディングに出品するにあたり、NOTICEの公式サイトも製作した(以下、関連リンク)。
関連リンク: | |
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さて今回、八木氏が、日本ではなく、あえてアメリカのサービスを選んだ理由としては、「アメリカでのFacebook利用率が非常に高いこと」「支援者が世界規模であること」などを挙げている。
なお支援者へのインセンティブ(対価)としては、以下を用意した。支援額に応じたメニューもある。
アプリや金型への名前記載の人数制限は、単純に、それぞれのスペースの都合で決まった。
なお、Kickstarter以外での販売予定は現時点では未定。反響を見ながら、検討していくということだ。
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