ヒストグラムの読み方、コツと経験則実践! IE:現場視点の品質管理(12)(2/4 ページ)

» 2012年03月30日 11時52分 公開

(2)分布形の判別

 いろいろな原因によってヒストグラムが製品の品質特性の真の分布(母集団分布という)を表していない場合があります。誤って想定しやすい分布の形について、代表的なものを説明しておきますので、注意しておきましょう。

(a)2つの山ができている場合

 2つの母集団が重なったとき、つまり異なった2つのデータが混じっている状態のときにこの傾向が見られます。この場合は、データを層別*する必要があります。例えば、2台の異なった設備で加工したものが混じっていたり、2社から納入された製品が混じっているときなどに発生します。


*層別 層別については、こちらを参照ください。


(b)山の端が切れている場合

 全数検査で不良品を選別し、規格外の製品を除いたときに発生します。

(c)山が飛び、離れている場合

 測定途中で、測定器が狂うといった理由で数値に誤りがあったり、工程に異常が生じたときなどに現れる傾向です。まずは、使用する測定器の特性をよく把握しておく必要があります。また、一時的に材料に何らかの変化が起きた場合や、作業に慣れない作業者が加工を担当した場合にも発生する現象です。

(d)山の形状が歯抜け形の場合

 測定器に何らかのクセがあったり、測定器の目盛りの読み方に偏りがあるときに発生する形です。

(e)平均値が次第に大きくズレた場合

 平均値が徐々にずれていく場合は、時系列的な変化に注意しておく必要があります。

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