トヨタ自動車がハイブリッド車の新型車「アクア」を発売した。価格は169万円から。燃費性能でも「プリウス」を超えており、次世代プリウスに当たる車種である。新しいユーザー層を取り込むため、あえてプリウスの名前を外した。
トヨタ自動車は、ハイブリッド車の新型車「アクア(AQUA)」を2012年12月26日に発売した。3グレードからなる。コンパクトクラスの乗用車であり、価格は169万円から(図1)。
「アクア」の開発コンセプトについては、関連記事「プリウス以上の車を作るには」をご覧ください。
同社によればアクアの特長は4点あるという。燃費性能と室内空間、走り、エコドライブである。
燃費性能はハイブリッド車として最も高い。ガソリン1L当たりの走行距離は35.4km(JC08モード)*1)。これはプリウスの32.6km(同)をしのぐ性能だ。排気量1496ccのエンジンと最高出力45kWの高出力モーターを組み合わせたことで実現した。
*1) 従来の10・15モードでは40km/L。
室内空間にもゆとりを持たせた。フロントシートバックを薄型化することで、後部座席のひざまわりスペースにゆとりを持たせた。ハイブリッドシステム自体を小型軽量化したことで、車体後部のラゲージスペースの容積を305Lと高めた(図2)。これはトヨタ自動車の同排気量の車種としては最も容積が大きいという。
走りについては、操縦性と加速性、最小回転半径に注力した。重量物であるハイブリッドユニットエンジンの位置を低くする低重心設計により、操縦性を高めた他、ハイブリッドシステムでありながら、0〜100kmの加速時間10.7秒を実現している。最小回転半径は4.8mと小さい。
ハイブリッドシステムは、エンジンを効率よく動作できる範囲に保つことができるため、CO2(二酸化炭素)の排出量がガソリン車よりも低くなる。アクアでは、ドライバーがハイブリッドシステムの動作モードを細かく設定することよりも、現在の状態を分かりやすく表示することに注力した*2)。
*2) このような方針を採った理由は、アクアが狙うユーザー層が、エコ指向の顧客にとどまらず、従来よりも燃費が高い車が欲しい、より一般的な顧客であるためだ。
今後、世界各国に展開する。なお、海外ではプリウスの知名度を生かした「Prius c」という名称で販売する(関連記事:トヨタが米国でプリウスPHVの予約開始、国内は2012年から販売)。
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