韓国の代表的な自動車メーカーには、ヒュンダイ(現代自動車)、韓国GM(GM Korea。旧Daewoo:GM大宇自動車技術)、キア(KIA:起亜自動車)、ルノーサムスン(RSM:ルノー三星自動車)などがあります。
世界的に販売台数を伸ばしている韓国製の自動車といえども、日本国内で見かけることは少ないといえます。かつてHyundaiは日本で乗用車を販売していましたが、販売不振により2009年に日本から撤退しています。
韓国国内を走っている自動車を見ていると、海外らしさをあまり感じることがありません。その理由の1つに日本人の感覚でも受け入れられるデザインの自動車が増えているからだと思います。
あくまでも個人的な意見ですが、代表的な韓国ブランドのイメージは下記の通りです。
今回、個人的に興味を持ったキアブランドで気になるデザインの自動車をソウル市内で撮影してきましたので紹介します。「K5」はコンパクトな車体に精悍なマスクを盛っており、至るところで見掛けることができます。またソウル中心部では黄色く塗られたタクシーにも使われています。
「K7」はK5をさらに洗練させて高級感を持たせたデザインです。
「Sorento」も、SUV車としてK5やK7のDNAを引き継いだデザインです。
自動車のデザインの嗜好(しこう)は人によって異なるため、上記に紹介したKIAの3車種が優れているかどうか判断することはできませんが、韓国車はグローバルな展開にあたりデザインを重視したモノづくりに挑戦していることがよく分かります。
韓国人エンジニアをはじめ、韓国に滞在している日本人エンジニアでも、韓国の自動車について「品質は日本車と遜色ない」と口をそろえます。今後、日本国内で韓国製の自動車がシェアを伸ばす可能性は低く脅威になり得ないと筆者は考えていますが、ウォン安を武器に世界的なシェアはますます伸びていくと予想できます。
欧米に行くと都市部の大きな看板には必ずといっていいほど韓国企業の広告が見られます。もちろん世界的に活躍している日本企業の看板もたくさんあるのですが、相対的に韓国企業の方が広告に莫大な資金を投資していると感じます。
製造業においては、BRICsの台頭によって中国やインドの市場や生産活動に注目が集まりがちで、最近は韓国の産業や製品戦略についてあまり焦点が当たりません。しかし、その間にも韓国製品はグローバルに浸透し、日本ブランドよりも有名になり販売シェアを増やしていることは事実です。
多くの日本人が抱いている「日本製品は品質も信頼性も世界一で、韓国製品はまだまだ2流品」という感覚で製品開発をしていては、ますます“ガラパゴス化”が進み、日本だけがグローバルなトレンドに乗り遅れていくことになります。
既に海外においては、品質や信頼性の真の実力よりも、企画力やブランド力によって日韓製品のブランドの価値が逆転していることを認識しなければいけません。日本人エンジニアは積極的に海外に足を運び、肌でグローバルな感覚を養うことが重要であると確信します。
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⇒ | 出張放浪記(韓国旅行記掲載:山田学氏のWebサイト) |
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