OBJETの販売代理店の1つであるアルテックでの今回の展示で目立っていたものの1つが、「CONNEX260」(2011年6月21日リリース)である。この機械の1つの売りは、オフィスの中にフィットするということだが、それ以上に注目されるのは、材料の扱いである。一般に射出成形や切削加工などとは違い、RPの欠点とされるのは材料を選ぶことが難しいということである。ところが、CONNEXシリーズの特徴は、デジタルマテリアル機能で、2種類の樹脂を混合させることで、例えば材料の硬さなども調整することができる。今回のCONNEX260では、ベースレジンとして14種類が用意されており、これらを混合することで60種類にまで増やすことができるとのことだ。
従来より「色付き」の3次元プリンタである「ZPrinter」を扱う武藤工業は、今回ZPrinterの最上位機種である、「ZPrinter 650」とともに光硬化タイプの3次元プリンタの「ZBuilder」を展示していた。このZBuilderでも近々新しい材料が追加されるようである。もともと比較的アフォーダブルに光硬化型の造形を提供していたZBuilderは、材料という面では選択の余地がなかったが、2つの新しい材料の提供を予定しているとのことだ。1つが6月30日リリースの「RC31」と呼ばれる高耐熱対応の素材で、さらに夏以降には「R5」というブラックの新素材の展開が予定されている。ハイライトなども確認しやすく、例えばタイヤのトレッドの試作といったことにも活用しやすくなりそうだ。
ところで、同ブースで展示されていたZPrinterは石こうの粉を固めるタイプで、唯一3次元データで定義したテクスチャの色のままプリントできるため、用途も若干ほかのタイプの物と異なるところがある。実際、さまざまなキャラクタのフィギュアなどがプリントされている。
今回目を引いたのは、ユーザー事例として展示されていた福島原発の模型である。
これまでテレビや雑誌などのメディアで見ていた2次元のスケッチよりもインパクトがある。このような模型を作る際には、色が付くZPrinterは強い。昨今、さまざまな画像も2次元のスケッチだけではなく、3次元のCGで作成されている例も多い。どうせならそのまま出力して、ニュースなどでも活用できるような事例の1つである。
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